【初期費用節約】太陽光発電がなくてもZEH住宅は可能!
電気代の高騰や、環境への配慮の観点からZEH基準の住宅を建てる人が増えています。
ZEH住宅には「太陽光発電」や「蓄電池」の設備が必要になり、初期費用が高額になってしまうという側面があります。
しかし、太陽光発電設備を導入しなくてもZEH認定を受けることができるのをご存知でしょうか。
今回は、ZEH住宅の詳しい区分や、太陽光発電システムなしのZEH住宅について解説します。
目次
【エネルギー収支0】ZEH(ゼロエネルギーハウス)とは?
ZEH住宅とは、消費するエネルギーを減らすと同時に、太陽光発電システムなどの創エネ設備で「年間エネルギー収支を0にする」ことを目指している住宅のことを指しています。
ZEH住宅は自家発電や省エネルギー設備を活用することにより、「エネルギー年間収支のプラスマイナス0」を実現することができる住宅です。
ZEH住宅には、太陽光発電システムや断熱性の高い窓、高い気密性などが必要になります。
太陽光発電なしのZEH住宅もあるの?
太陽光発電システムの設置が必要だとされていたZEH住宅ですが「ZEH Oriented」という新しいZEH区分では、必ずしも太陽光発電システムが必要ではないとされています。
ZEH住宅を建てたくても、太陽光発電システムの発電量が見込めない場合や、都市部の狭小地などでは発電量が見込めない場合があります。
そのような住宅向けに、新たに加わったのが「ZEH Oriented」という新しいZEH区分です。
【太陽光発電不要も】ZEH住宅の区分はたくさんある!
ZEHの区分は、主に6種類あります。
「ZEH」という言葉が一人歩きしてしまい、ZEHの基準は1つだと思っている人も多いです。
しかし、実際には区分によって認められる基準が異なるので、ZEH住宅を建てる時には、詳しく知っておく必要があるでしょう。
ZEH認定を受けるためには、BELS(ベルス)という評価制度を受ける必要があります。
区分 | 省エネ基準から | エネルギー収支 | 必要設備 |
ZEH | 20%削減 | 100% | ・再生可能エネルギー設備 |
Nearly ZEH | 20%削減 | 75% | ・再生可能エネルギー設備 |
ZEH Oriented | 20%削減 | なし | なし |
ZEH+ | 25%削減 | 100% | ・再生可能エネルギー設備 |
Nearly ZEH+ | 25%削減 | 75% | ・再生可能エネルギー設備 |
次世代ZEH+ | 25%削減 | 100% | ・再生可能エネルギー設備 【以下のいずれかを導入】 ・V2H設備 ・蓄電システム ・燃料電池 ・太陽熱利用温水システム |
区分① ZEH
ZEHは、一年間のエネルギー収支がゼロとなる住宅を指します。
太陽光発電や再生可能エネルギーを活用し、省エネルギー設備を備えることで、建物内で使用するエネルギーを自給自足します。
ZEH基準の住宅にするためには、断熱性能を高くし、省エネ基準から20%削減する必要があります。
さらに、再生可能エネルギーで使用するエネルギーを100%賄う必要があります。
また、ZEH認定を受けるためには、太陽光発電システムなどの創エネ設備が必須です。
区分② Nearly ZEH
Nearly ZEHは、ほぼZEH住宅に近い住宅を指します。
省エネ基準から20%削減、再生可能エネルギーで賄う割合は75%です。
ZEH住宅と同等の省エネ基準の住宅ですが、寒冷地や低日射など、主に再生エネルギーを作りにくい場所に適用されます。
区分③ ZEH Oriented
ZEH Orientedは、ゼロエネルギーハウスに向けた取り組みが行われている住宅を指します。
省エネ基準から20%削減という基準は変わりませんが、再エネ設備を導入する必要がありません。
区分④ ZEH+
ZEH+は、ゼロエネルギーハウスに再生可能エネルギーの発電設備を組み合わせた住宅を指します。
ZEH+は、ZEH住宅よりも基準が高く設定されています。
ZEH+基準は、省エネ基準から25%削減、再生可能エネルギーで使用エネルギーを100%賄うことです。
ZEH住宅よりも、省エネ基準が高く設けられていることがわかります。
区分⑤ Nearly ZEH+
Nearly ZEH+は、省エネ性能はZEHよりも高いけれど、再生可能エネルギーの使用量が少ない住宅に適用されます。
Nearly ZEH+の基準は、省エネ基準から25%削減、再生可能エネルギーで賄う割合は75%です。
ZEH+に比べて、エネルギー収支が少ないことがわかります。
区分⑥ 次世代ZEH+
次世代ZEH+は、ゼロエネルギーハウスに、さらに高いエネルギー効率や省エネルギー設備を備えた住宅を指します。
ZEH住宅の中では、基準が一番高いことが特徴です。
次世代ZEH+の基準は、省エネ基準から25%削減、再生可能エネルギーで使用エネルギーを100%賄うことです。
さらに、V2H設備・蓄電システム・燃料電池・太陽熱利用温水システムのいずれかを導入する必要があります。
太陽光発電なしのZEH住宅の特徴は?
ZEH基準の住宅の中でも「ZEH Oriented」であれば、太陽光発電システムが不要なことがわかりました。
「ZEH Oriented」について詳しく解説します。
特徴① エネルギーの省エネ化と節電効果
「ZEH Oriented」は、ZEH住宅同様の省エネ性能を誇ります。
省エネ性能が高いことから、節電効果も高く、一般的な住宅よりも電気代を抑えることができるでしょう。
特徴② 発電設備が不要で初期費用を抑えられる
「ZEH Oriented」は、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備を導入しなければいけないわけではありません。
太陽光発電システムを導入する必要がないので、他のZEH基準の住宅に比べて、設備分の初期費用を減らすことができます。
特徴③ 都市部などに向いている
「ZEH Oriented」は、都市部や日射量が少ない土地などに向いています。
太陽光発電システムを導入しなくても、ZEH基準の家を建てることで、補助金を受け取ることができます。
太陽光発電なしのZEHのメリットはメンテナンスと初期費用
太陽光発電システムなしで認定を受けることができる「ZEH Oriented」。
「ZEH Oriented」のメリットは、太陽光発電システム分の初期費用を節約できる点です。
また、太陽光発電システム自体がないので、パネルの掃除や点検などのメンテナンスも必要ありません。
太陽光発電なしのZEHの注意点は?
最後に、太陽光発電システムなしで認定を受けることができる「ZEH Oriented」の注意点について解説します。
太陽光発電システムなしでZEH認定を受けることができる「ZEH Oriented」ですが、補助金が減ってしまうなどのデメリットがあるので注意が必要です。
注意点① 一般的な住宅よりは費用がかかる
「ZEH Oriented」の認定を受けるためには、ZEH基準の省エネ性能を備えた住宅にする必要があります。
ZEH認定を受けるためには、窓や断熱材などの性能が高くなければいけません。
太陽光発電システムなしでもZEH Orientedであれば認定を受けることができますが、一般的な住宅よりも建設費用がかかってしまう点には注意が必要です。
注意点② ZEH+住宅に比べて補助金が減ってしまう
2023年現在、ZEH住宅の建設で補助金を受け取ることができます。
もちろん、ZEH Orientedも補助金を受け取ることが可能です。
ただし、ZEH Orientedの場合「ZEH+」や「Nearly ZEH+」に比べて、受け取れる補助金額が減ってしまうので注意が必要です。
2023年度は「ZEH Oriented」を含むZEH住宅では55万円、「ZEH+」や「Nearly ZEH+」では100万円の補助金を受け取ることができます。
注意点③ 完全なZEHではない
「ZEH Oriented」は、完全なZEH住宅ではありません。
太陽光発電システムなしの場合には、今まで通り電気を買うことになります。
省エネ性能が高い「ZEH Oriented」ですが、太陽光発電システムを導入する場合に比べて、電気代が高くなってしまう点には注意が必要です。
特に、近年は電気代が高騰し続けています。
ZEH住宅を建てたのに、思ったよりも電気代がかかったとならないためにも、太陽光発電システムを導入できるのであれば、導入しておくことがおすすめです。
ZEH住宅は太陽光発電なしでも取得できる!
今回は、太陽光発電システムなしでZEH認定を受けることができる「ZEH Oriented」について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
「ZEH Oriented」は、太陽光発電システムが不要な分、初期費用を抑えることができますが、ランニングコストが上がってしまう可能性があるので注意が必要です。
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この記事の監修者
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