産業用蓄電池について徹底解説!仕組みや用途をわかりやすく説明
最近、導入する企業が増えて話題になっている産業用蓄電池。
「興味はあるけれど、いったいどんなものなのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、産業用蓄電池について詳しく知りたいあなたに向けて、特徴や用途、メリットやデメリットについて徹底解説していきます。
産業用蓄電池は、省エネ効果や停電時のバックアップとしても注目されていますので、この機会にぜひ導入を検討してみましょう。
目次
産業用蓄電池について徹底解説
まずはじめに、産業用蓄電池についての概要を解説します。
産業用蓄電池の特徴や、家庭用蓄電池との違い、設置するメリットやデメリットについてわかりやすく紹介していきます。
産業用蓄電池とは?
産業用蓄電池とは、一般家庭以外の場所で運用される大型の蓄電池の総称です。
基本的な仕組みや役割は家庭用蓄電池と同様であり、通常のコンセントや太陽光発電システム、創エネ機器などから電気を充電し、必要なときに消費できます。
充電してしまえば停電時も電力を供給できるため、災害などによる停電時の予備電力として重要な役割を担っています。
その特性から産業用蓄電池は小規模な店舗から大型商業施設、工場や公共施設、病院やオフィスビルなど、さまざまな建物で活用されています。
産業用と家庭用の違いを解説
産業用蓄電池と家庭用蓄電池を区別する明確な違いはありません。
しいてあげるならば、充電できる電気の容量が大きく違っています。
消防法により、最大容量17kwh以上の蓄電池は消防署への届け出が必要になるため、一般的な家庭用蓄電池はこれより低い容量となっていることがほとんどです。
一方で、工場などの電力を大量に消費する施設に使われる産業用蓄電池は、500kwhを超えるような大型のものも存在しています。
設置するメリットは?
産業用蓄電池を設置する一番のメリットは、停電時の予備電力として機能することです。
稼働を止めることが許されない工場をはじめ、病院などでは電力のバックアップは必須であるといえます。
施設によっては業績が悪化するばかりか、損害賠償を請求されてしまうケースもあるでしょう。
産業用蓄電池を設置することによって、これらのトラブルを未然に防ぐことができます。
ほかにも、太陽光発電システムとの併用による省エネ効果も見逃せないメリットのひとつです。
昼間に作りすぎて余ってしまった電力を蓄電池に充電しておき、夜間など、必要に応じて使うことができます。
設置するデメリットは?
産業用蓄電池を設置するデメリットは、導入コストがかかることです。
蓄電池自体の価格に加えて、設置費や運送費も別途必要になってきます。
蓄電池はかなりの熱を発するため、排熱のためのダクトなども設置する必要があります。
大型の蓄電池になるほどコストがかかりますので、計画的に導入を検討していきましょう。
もうひとつのデメリットとして、設置スペースが必要になることが挙げられます。
家庭用蓄電池に比べて、産業用蓄電池はかなり大型なため、必要となるスペースも大きくなります。
導入前にどのくらいのスペースが必要なのか、メーカーや業者に問い合わせておきましょう。
【分かりやすく解説】産業用蓄電池の仕組み
続いて、産業用蓄電池の仕組みについて、はじめての方にも分かりやすく解説します。
基本的には、乾電池やモバイルバッテリーと同じような仕組みでできていますので、難しく考える必要はありません。
産業用発電機の充電の仕組みを解説
産業用蓄電池の中身をざっくり説明するとプラス、マイナス極の金属と電解液で構成されています。
プラス極の金属が電解液に溶け出すことで電気が発生し、マイナス極に流れることで充電される仕組みになっています。
逆の要領で、マイナス極の金属が溶け出すことで、プラス極に電気が流れ放電される仕組みです。
このときに溶け出した金属は元の場所に戻るようになっているため、充放電を繰り返すことができます。
産業用蓄電池にはどんな電池が使われている?
産業用電池に使われている電池の種類は、リチウムイオン電池かNAS電池が一般的です。
リチウムイオン電池とは、プラス極とマイナス極の間をリチウムイオンが移動することで充放電する電池のことであり、小型で長寿命、発電効率もよいという特徴があります。
スマートフォンやモバイルバッテリー、家庭用蓄電池にもリチウムイオン電池が使われています。
比較的コンパクトで設置スペースをとらないため、コンビニをはじめとした小規模な店舗で導入されることが多いです。
NAS電池とは、日本の企業が開発した大容量の蓄電システムです。
メガワットクラスの容量にも対応可能なため、大規模な工場などの施設で採用されています。
大容量にもかかわらず安価で設置できるメリットがありますが、作動時はかなり高温になるため取り扱いには注意が必要です。
産業用蓄電池はどのような用途で導入されているのか?
最後に、産業用蓄電池のさまざまな用途について紹介します。
停電時の電力バックアップ
産業用蓄電池は、災害時や突然の停電時に予備電力として導入されています。
とくに病院や公共機関などの施設は、停電時も業務をストップすることはできません。
東日本大震災をきっかけに、蓄電池の必要性が各地で指摘されるようになりました。
産業用電池は家庭用蓄電池に比べてはるかに大容量であり、太陽光発電のエネルギーを併用することで中長期に渡る停電時も電力をバックアップできます。
電気使用量のコントロール
産業用蓄電池は、充電した電力を使うことで電気使用量をコントロールする目的でも使われています。
電気料金が高くなるピークタイムに蓄電池の電力を使うことで、購入する電気量を抑えることができます。
料金がお得になる夜間に充電をした電力を使えば、かなりの金額を節約できるでしょう。
このように、産業用蓄電池を導入することで電気使用量を積極的にコントロールしてお得に管理できます。
太陽光発電との併用による省エネ
太陽光発電システムと産業用蓄電池を併用することで、さらなる省エネ効果を期待できます。
蓄電池があることで、太陽光発電で余った電力を蓄えておけるため、必要なときに必要なだけ自由に使えるようになります。
大型のソーラーシステムを採用している企業などでは、ほとんど電力を購入せずに営業することも可能になり、エコロジー活動の一環として周囲にアピールできます。
蓄電池と太陽光発電は非常に相性がよく、高い省エネ効果も期待できるため、ぜひセットでの導入をおすすめします。
【まとめ】産業用蓄電池を導入して不測の事態に備えよう
産業用蓄電池の特徴や用途、メリットやデメリットについて解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事で説明した内容を、以下にもう一度紹介していきます。
数時間の停電が業績を左右してしまう企業において、電力のバックアップは早急に改善しておくべき課題といえます。
太陽光発電との併用による相乗効果も大きく、さまざまなメリットが期待できる産業用蓄電池の導入を前向きに検討していきましょう!
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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