エコキュートの薄型と角型の違いは？薄型を選ぶメリットデメリットも

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「エコキュートを設置したいけれど、貯湯タンクを置くスペースの確保が難しい…」とお悩みのご家庭もあるかもしれません。

エコキュートの貯湯タンクには、一般的な角型タイプとは別に「薄型タイプ」も販売されています。

今回の記事では、薄型エコキュートの特徴について、メリットと注意点の両面から詳しく解説します。エコキュートの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

エコキュートの薄型タイプと角型タイプの主な違い

エコキュートの薄型タイプは、標準的な角型タイプとどのような点が違うのでしょうか。まずは、両者の主な違いを見ていきましょう。

大きさの違い

薄型タイプと角型タイプでは、まず本体の寸法が異なります。

薄型エコキュートは、角型に比べて奥行きがスリムに設計されており、その分、高さや横幅が大きくなる傾向があります。一般的に、奥行きは約30cmほど抑えられています。

同じ貯湯タンク容量でも、タイプによって寸法が大きく異なるため、設置スペースに合わせた選択が重要です。

価格帯の違い

薄型タイプと角型タイプでは、価格帯にも違いが見られます。

一般的に、薄型タイプは角型タイプに比べて、本体価格が3〜5万円ほど高くなる傾向があります。これは、薄型タイプの貯湯タンクが、内部で2つの缶に分かれているなど、角型（1つの缶で構成）とは異なる複雑な構造を持つためです。

薄型エコキュートを選ぶメリットは？主な特徴4選

薄型タイプと角型タイプの違いを理解したところで、次に薄型タイプを選ぶ具体的なメリットを見ていきましょう。

メリット① 比較的狭いスペースにも設置しやすい

薄型タイプの大きな利点は、比較的狭いスペースにも設置しやすいことです。

エコキュートの設置には、貯湯タンクとヒートポンプユニットの2つの機器を置くスペースが必要です。ヒートポンプユニットはエアコンの室外機程度の大きさですが、貯湯タンクはタイプによってサイズが大きく異なります。

奥行きがスリムな薄型タイプなら、これまで設置スペースの問題で導入が難しかったご家庭でも、設置できる可能性があります。

メリット② 建物の外観に馴染みやすい

本体がスリムで圧迫感が少ないため、建物の外観を損ないにくい点もメリットと言えるでしょう。設置時の見た目を重視するご家庭にとって、魅力的な選択肢の一つです。

メリット③ 設置場所の選択肢が広がる

奥行きがスリムなため、設置場所の選択肢を広げることができます。例えば、戸建てのベランダやマンションの共用廊下など、これまで設置が難しかった場所にも対応できる場合があります。

メリット④ 搬入経路を確保しやすい

本体の奥行きが薄いため、搬入作業がスムーズに進みやすいという利点もあります。業者によっては、搬入経路が狭い場合に別途追加料金が発生することもありますが、薄型タイプであればそのリスクを低減できる可能性があります。

薄型エコキュートのデメリットは？7つの注意点

魅力的な特徴が多い薄型エコキュートですが、導入前に知っておきたい注意点も存在します。ここでは、主な注意点を7つ紹介します。

注意点① 角型タイプに比べ耐震性能の選択肢が限られる

注意すべき点として、角型タイプに比べて耐震性能の選択肢が限られる傾向があることが挙げられます。

角型タイプには、耐震性能で最上位の「耐震クラスS」に対応した機種が販売されていますが、薄型タイプで対応している機種の多くは「耐震クラスA」となっています。これは、薄型が縦長の形状であるため、構造的に角型よりも安定性の確保が難しいことが一因です。

ただし、耐震クラスAであっても、建築基準法で定められる一般的な住宅と同等の耐震基準は満たしており、地震に対して過度に心配する必要はないでしょう。

注意点② 角型タイプに比べて価格が割高になる傾向

前述の通り、角型タイプに比べて本体価格が3〜5万円ほど高くなる傾向があります。

注意点③ 角型タイプに比べてランニングコストが若干高くなる場合がある

ランニングコストが角型に比べてやや高くなる可能性がある点も、考慮すべきポイントです。これは、タンクの表面積が大きく、内部構造の制約から断熱材を充填するスペースが限られるため、放熱ロスが角型より多くなる傾向があるためです。

製品や使用状況にもよりますが、一例として、年間で5,000円程度の差が出るという試算もあります。とはいえ、ガス給湯器など他の給湯方式に比べれば、ランニングコストの優位性は保たれる場合が多いです。

注意点④ 機種のバリエーションが限られる

角型タイプに比べて、選べる機種の種類が少ない点も注意が必要です。具体的には、以下のような制約が見られます。

• 地域仕様の選択肢が少ない
  多くの製品が一般地向け仕様であり、寒冷地仕様や耐塩害仕様などの特殊地域向けモデルは非常に少ないのが現状です。
• 機能がフルオートタイプ中心
  お湯はりから追いだき、保温までを自動で行う「フルオートタイプ」がほとんどで、機能をシンプルにした給湯専用タイプなどの選択肢は限られます。

注意点⑤ 機種によっては補助金制度の対象外となる場合がある

国や自治体が実施する補助金制度の対象外となる場合がある点も注意が必要です。

例えば、国の「給湯省エネ2025事業」では、補助金を受けるために、定められた省エネ性能の基準（年間給湯保温効率など）を満たす必要があります。薄型タイプは、その特性上、この基準値を満たさない機種も存在します。

補助金の活用を検討している場合は、希望する機種が対象製品リストに含まれているか、事前に公募要領などで確認することが重要です。

注意点⑥ 大容量サイズの選択肢がない

薄型タイプでは、550L以上の大容量サイズの製品がほとんどありません。現在販売されている薄型タイプの最大容量は460Lが主流で、これは4〜5人家族向けのサイズです。6人以上の大家族で、より大きな容量が必要な場合は、角型タイプが主な選択肢となります。

注意点⑦ 小容量サイズの選択肢がない

大容量サイズとは逆に、1〜2人世帯向けの200L未満といった小容量サイズの製品も、薄型タイプではほとんど見られません。薄型タイプは、主に2〜5人程度の標準的な世帯を対象としています。

まとめ：薄型エコキュートは設置性とデザイン性が魅力！ただし注意点も理解して検討を

今回の記事では、エコキュートの薄型タイプと角型タイプの違いについて解説しました。

奥行きがスリムな薄型エコキュートは、設置スペースが限られる都市部の住宅などにおいて非常に魅力的な選択肢です。一方で、価格やランニングコスト、機種のバリエーションなど、事前に考慮すべき点も存在します。

ご家庭の設置環境やライフスタイル、重視するポイントを総合的に考慮して、最適な一台を選びましょう。より詳しい情報収集や機種の比較検討には、専門の販売・施工業者や、信頼できる情報サイトなどを活用するのも一つの方法です。