エコキュートの点検はどうやる?タイミングや手順・放置デメリットを解説

家庭の光熱費のうち、約3割を占めるといわれる「給湯費」。
より多くの給湯費を節約できる設備として注目される「エコキュート」ですが、快適に長く使い続けるためには定期的な点検・メンテナンスが重要であることをご存じでしょうか?
適切なタイミングで点検・メンテナンスを実施しないと、「お湯に汚れやサビが混じる」「省エネ性能が低下する」など、不具合につながる可能性があります。
そこで本記事では、自分でできるエコキュートの点検・メンテナンスの種類やくわしい手順、実施せずに放置する「3つのデメリット」を徹底解説していきます。
記事の後半では、エコキュートの点検・メンテナンスを業者に頼む費用相場やおすすめのタイミング、業者選びの注意点についてもご紹介しています!
目次
- 1 そもそもエコキュートの点検・メンテナンスは自分でやったほうがいい?
- 2 自分でできるエコキュートの点検・メンテナンスの種類は?
- 3 エコキュートの点検・メンテナンスはどれくらいの頻度でするべき?
- 4 【手順を解説】エコキュートを自分で点検・メンテナンスする方法を解説!
- 5 要注意!エコキュートを点検・メンテナンスせず放置するデメリットとは?
- 6 エコキュートの点検・メンテナンスを業者に頼む費用相場はどれくらい?
- 7 エコキュートの点検をしばらくしていないなら業者への依頼がおすすめ
- 8 エコキュートの点検・メンテナンスを業者に頼む際の注意点とは?
- 9 まとめ:エコキュートには定期的な点検・メンテナンスが必要!業者に任せてもOK
そもそもエコキュートの点検・メンテナンスは自分でやったほうがいい?
大半のエコキュートメーカーは取扱説明書や公式Webサイトなどで「購入者による点検・メンテナンス」を推奨しており、設備を長持ちさせるためにも忘れずに実施するべきです。
エコキュートは屋外の「貯湯タンク」にお湯を蓄えて使用する仕組みのため、定期的な配管洗浄などを怠るとお湯が不清潔になるだけでなく、故障の原因にもなり得ます。
結果的に設備本来の寿命が来る以前に不具合が発生し、修理や交換が必要となるケースも考えられますので、定期的に実施する習慣を身に着けましょう。
自分でできるエコキュートの点検・メンテナンスの種類は?
自分でできるエコキュートの点検・メンテナンスの種類は「配管洗浄」から「漏電遮断器の点検」まで多岐にわたりますが、中でも以下の項目は実施する優先度が高いです。
- 自動洗浄機能を使った配管洗浄
- 浴槽フィルターの洗浄
- 貯湯タンクの水抜き
- 逃し弁の点検
- 漏電遮断器の点検
ほかにも、定期的な「目視による水漏れ点検」や「貯湯タンク・本体の拭き掃除」などは優先度は下がるものの、設備を長持ちさせる大切な作業といえます。
エコキュートの点検・メンテナンスはどれくらいの頻度でするべき?
エコキュートをできるだけ長く快適に使用するために、点検・メンテナンスは以下のタイミングを目安に実施しましょう。
エコキュートの点検・メンテナンスの頻度 | |
自動洗浄機能を使った配管洗浄 | 浴槽を使用するたび毎回 |
浴槽フィルターの洗浄 | 2〜3週間ごとに1回 |
貯湯タンクの水抜き | 4か月〜6か月ごとに1回 |
逃し弁の点検 | |
漏電遮断器の点検 |
目視による水漏れ点検や設備外観のチェック、貯湯タンクや本体の拭き掃除などは、休日に庭の手入れや草刈りをするタイミングで実施すると効率的です。
【手順を解説】エコキュートを自分で点検・メンテナンスする方法を解説!
ここでは、エコキュートの点検・メンテナンスを自分で行う際の手順や、知っておきたい各部の役割についてわかりやすく解説していきます。
①エコキュートの浴槽フィルターを洗浄する手順・方法
浴槽フィルターは浴槽の排水口のあたりに取り付けられており、洗浄せずに放置すると目詰まりが起きたり、追い焚きや高温たし湯がうまく機能しなくなる可能性もあります。
浴槽フィルターを洗浄する手順は以下のとおりです。
- 浴槽フィルターを取り外す
- 大きなゴミを除去し、水やぬるま湯で全体を洗い流す
- 水アカや不純物が固着していたら、専用洗剤などで落とす
- 洗浄しにくい細かな部分は、歯ブラシなどを使うと落としやすい
②エコキュートの貯湯タンクを水抜きする手順・方法
貯湯タンクの内部には常にお湯や水が蓄えられているため、水抜きせずに放置すると水アカや不純物が蓄積し、お湯の汚れや故障の原因となります。
貯湯タンクを水抜きする手順は以下のとおりです。
- 貯湯タンク脚部のカバーを外し、漏電遮断器のスイッチを切る
- 給水止水栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げて1分ほど待つ
- 排水栓を開けて水(お湯)が出なくなるまで水抜きを行う
- 給水止水栓を開けて、お湯が正常に出ることを確認する
- 逃し弁レバーを下げる
- 漏電遮断器のスイッチを入れ、正常にお湯が出ることを確認する
水抜きを行う時間帯によっては排水時に熱湯が出る可能性がありますので、ゴム手袋や長袖などを着用し、ヤケドを負わないように注意して作業しましょう。
③エコキュートの逃し弁を点検する手順・方法
貯湯タンク内部の圧力を逃がす役割を担う「逃し弁」は、点検を怠り不具合を発見できずに放置すると、最悪の場合タンクが破損する原因となります。
逃し弁を点検する手順は以下のとおりです。
- 逃し弁を保護するカバーを開ける
- 逃し弁のレバーを上げ、排水口から水(お湯)が出ることを確認する
- 逃し弁のレバーを下げ、水(お湯)が止まることを確認する
④エコキュートの漏電遮断器を点検する手順・方法
漏電の発生時にエコキュートの運転を自動停止する「漏電遮断器」は、点検せず故障したまま使い続けると、漏電したときにブレーカーが落ちたままになってしまいます。
漏電遮断器を点検する手順は以下のとおりです。
- 漏電遮断器の電源カバーを開け、点検ボタンを押す
- 漏電遮断器が「切(OFF)」になることを確認する
- 漏電遮断器のスイッチを「入(ON)」に戻す
要注意!エコキュートを点検・メンテナンスせず放置するデメリットとは?
エコキュートの点検・メンテナンスを長期間しないまま放置し続けると、以下のデメリットが発生する可能性が高くなります。
- エコキュート本体や配管の寿命が短くなる
- 浴槽やシャワー・キッチンのお湯が不清潔になる
- エコキュートの省エネ性能が低下する
それぞれのデメリットの詳細を確認していきましょう。
デメリット①:エコキュート本体や配管の寿命が短くなる
エコキュートを定期的な点検・メンテナンスせずに放置し続けると、不具合や故障が起こる確率が高まり、本体や配管の寿命を縮める結果につながりかねません。
たとえば、台風や地震などで配管や貯湯タンクにキズが入ったとしても、目視確認を怠ると気が付かず、水漏れや破裂などの重大なトラブルを招く恐れがあります。
ほかにも、小さな異音に気づかず使用を続けたことが原因となり、設備全体の交換が必要となるほどの不具合につながる可能性もゼロではありません。
エコキュート全体の交換には「数十万円」を超えるコストがかかりますので、休日などに時間を見つけて、こまめに点検・メンテナンスを実施したいですね。
デメリット②:浴槽やシャワー・キッチンのお湯が不清潔になる
浴槽フィルターの洗浄や貯湯タンクの水抜きを実施せずに使い続けると、浴槽やシャワー・キッチンの蛇口などから出るお湯に汚れやサビが混じる可能性があります。
また、配管や貯湯タンクの内部に蓄積した汚れや水アカが原因で雑菌の繁殖を招き、「お湯から嫌なニオイがする」といったトラブルにもつながりかねません。
不清潔なお湯の入った浴槽に浸かると、最悪の場合「健康に悪影響を及ぼす」リスクもありますので、家族の健康のためにも定期的なメンテナンスは非常に重要です。
エコキュートの構造上、貯湯タンク内部は長期間使用するとどうしても不純物が溜まってしまうため、忘れずに水抜きを実施して洗い流しましょう。
デメリット③:エコキュートの省エネ性能が低下する
エコキュートの点検・メンテナンスを怠り、配管や貯湯タンクに不純物が溜まったまま使用し続けると、設備本来の省エネ性能が発揮できない可能性があります。
配管や貯湯タンクなどに溜まった汚れ・水アカは給湯圧力を下げる要因となり、充分な圧力を維持するために「余計な電気代」がかかる事態を招きかねません。
また、エコキュートは水とお湯が別々の配管から供給される仕組みのため、どちらかの配管にトラブルが発生すると「温度調節の不具合」が起こる可能性もあるでしょう。
エコキュートの持ち味である省エネ性能を活かし、光熱費を節約するためにも、水抜きや浴槽フィルター洗浄などのメンテナンスは確実に実施しておきたいですね。
エコキュートの点検・メンテナンスを業者に頼む費用相場はどれくらい?
エコキュートの点検・メンテナンス費用にかかる費用は「依頼する業者」によって上下しますが、「1〜3万」ほどが相場の目安となります。
点検時やメンテナンス作業の途中で不具合や劣化した部品が見つかった場合、修理や部品交換に別途料金がかかる場合もあります。
いずれにしても、点検・メンテナンスをせずに放置し、故障してしまった際に発生する修理・交換費用に比べると格段に割安です。
プロによる点検では、素人には確認が難しい内部の不具合も発見できるため、自分で点検している方でも「2〜3年」に一度は依頼するとよいでしょう。
エコキュートの点検をしばらくしていないなら業者への依頼がおすすめ
エコキュートを設置してから1年以上、各部の洗浄や水抜きを実施していないなら、一度は業者に依頼してしっかり点検・メンテナンスを受けることをおすすめします。
長期間メンテナンスせずに放置したエコキュートは各部に深刻なダメージや劣化が発生している可能性があるため、プロの目で診断してもらったほうが安心して使い続けられます。
DIYでの点検・メンテナンスに苦手意識を持っている方は、業者の点検中に作業のポイントなどを質問しておくことで、次回から自分で行うハードルを下げることもできます
エコキュートの点検・メンテナンスを業者に頼む際の注意点とは?
電話やアポ無しの訪問などで「エコキュートの無料点検」を勧めてくる業者がありますが、中には悪質な手口でエコキュートの交換を迫るケースもあるため注意が必要です。
よくある手口としては、最初はメーカーや電力会社を名乗って点検を行い、不具合が見つかったと報告、本来不要な工事や本体の交換を勧めるものが挙げられます。
訪問での無料点検を行う業者がすべて悪質というわけでは無いものの、基本的にはウラがあると疑い、自分で業者を探して依頼したほうが安心・確実です。
もしも悪質な業者に騙されてしまった場合は、契約から8日以内であれば「クーリング・オフ」が可能ですので、国民生活センターなどに相談すると良いでしょう。
まとめ:エコキュートには定期的な点検・メンテナンスが必要!業者に任せてもOK
エコキュート本来の省エネ性能を維持し、快適機能を長期間使い続けるためにも、日頃から実施できる点検・メンテナンスを継続することは非常に大切です。
一見複雑な作業手順も、慣れてしまえば案外短時間で終わらせられますので、休日など空いた時間を使ってぜひ挑戦してみてください。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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