エコキュートと電気温水器の違いは何?家庭ごとのおすすめも紹介

電気の力でお湯を作る「電気給湯器」ですが、大きく分けて「エコキュート」と「電気温水器」の2種類があります。
そこで今回の記事では、エコキュートと電気温水器の違いを徹底解説します。
最後には、どちらが家庭におすすめなのかも紹介するので、電気給湯器の種類選びに難航している方は必見です。
目次
おすすめの給湯器は?エコキュートと電気温水器の違いを解説!
電気給湯器の仲間であるエコキュートと電気温水器。それぞれどういった特徴があるのでしょうか。具体的に解説します。
エコキュートとは
エコキュートは、大気中の熱をお湯に変換できる省エネ給湯器のことです。この手法を「ヒートポンプ式」と呼びます。
また、夜間に発電しすぎた余剰電力を使って給湯するのも特徴のひとつです。夜間の余剰電力で作られたお湯は貯湯タンクに溜められ、翌日に1日かけて貯湯タンク内のお湯を使っていきます。
夜間の電力単価が安い電力プランに変更することで、給湯にかかる電気代を最小限に抑えることが可能です。
電気温水器とは
電気温水器は電気ポットを大型化したようなもので、種類は「貯湯式」と「瞬間式」の2つです。
エコキュートのような使い方をしたい場合は「貯湯式」、ガス給湯器のような使い方をしたい場合は「瞬間式」を選べます。
エコキュートと電気温水器どちらがおすすめ?違いを徹底分析!
同じ電気給湯器であるエコキュートと電気温水器ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
両者の違いをそれぞれ詳しく解説します。
寿命の違い
エコキュートと電気温水器の寿命には、以下のような違いがあります。
電気給湯器の種類 | 平均寿命 | |
エコキュート | ヒートポンプユニット | 約5~10年 |
貯湯タンク | 約10~15年 | |
電気温水器 | 約10~15年 |
エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクで構成されており、それぞれ平均寿命が異なります。
ヒートポンプユニットの平均寿命を考慮すると、エコキュートの平均寿命は10年前後といえるでしょう。
つまり、寿命だけを見ると電気温水器のほうが長いことになります。
販売価格の違い
エコキュートと電気温水器は販売価格にも違いがあります。以下の表をご覧ください。
電気給湯器の種類 | 販売価格 |
エコキュート | 本体代:約100万円 |
工事代:約10~15万円 | |
電気温水器 | 本体代:約50~60万円 |
工事代:約10万円 |
販売価格は電気温水器のほうが安い傾向が見られます。ただ、店頭価格だけで購入する給湯器を決めてはなりません。
次に紹介する補助金やランニングコストも含めて、総合的に判断しましょう。
補助金の違い
エコキュートと電気温水器では、もらえる補助金にも違いがあります。
お伝えしている通り、エコキュートは省エネ給湯器。だからこそ、国はエコキュートの導入費用に対して補助金制度を設けています。
2025年に実施されている「給湯省エネ2025事業」では、エコキュート1台につき6万円、省エネ性能が高い機種を購入すれば最大13万円が支給されます。
さらに、自治体でもエコキュートの導入費用に対する補助金制度を実施している可能性があります。
国の補助金制度と自治体の補助金制度は併用可能なので、初期費用が高額なエコキュートをお買い得価格で手に入れることができるかもしれません。
一方、電気温水器は省エネタイプの給湯器ではないので、補助金制度はありません。補助金制度を利用して少しでもお得に省エネ設備を導入したいのなら、エコキュート一択といえるでしょう。
ランニングコストの違い
エコキュートと電気温水器では、ランニングコストにも違いがあります。
一概にはいえませんが、エコキュートの電気代は電気温水器の電気代の3分の1〜4分の1ほどといわれています。大気中の熱を使うこと、夜間の割安電力を契約できることが、電気代の削減に繋がるのです。
夜間電力に関しては、電力会社ごとに夜間の設定時間や料金設定が異なります。家庭に合う電力プランを選ぶことで、さらなる節電が望めるでしょう。
販売価格・補助金制度の有無・ランニングコストを総合して、購入する給湯器の種類を選べると良いかもしれませんね。
設備の設置スペースの違い
エコキュートと電気温水器では、必要な設備の設置スペースにも違いがあります。
エコキュートはヒートポンプと貯湯タンクの2つを設置する必要があります。どちらも基本的には屋外に設置しますが、狭小住宅や隣の家との距離が近い住宅の場合は、エコキュートの設置ができない可能性もゼロではありません。
一方、貯湯式の電気温水器は、貯湯タンクさえ設置できれば問題ありません。一戸建ての場合は屋外に貯湯タンクが設置されますが、集合住宅の場合は屋内設置もできます。
瞬間式の電気温水器は、設備の設置場所を自由に選べます。ガス給湯器と同じくコンパクトな見た目なので、どのような家庭でも比較的柔軟に設置場所を検討できるでしょう。
静音性の違い
エコキュートと電気温水器は、静音性にも違いがあります。
一般的には、電気温水器のほうが静音性が高いといわれています。電気温水器はほとんど無音で稼働するので、隣の家との距離が近い場合も安心です。
一方、エコキュートの運転音は40db程度あります。とはいえ、エアコンの室外機の運転音が50〜60db前後なので、エコキュートの運転音もそこまで深刻なものではないでしょう。
ただ、主に夜間に稼働するものという認識は忘れずにいてください。近隣住宅の迷惑にならない場所への設備設置を心がけましょう。
使いやすさの違い
使いやすさにもそれぞれ違いがあります。
エコキュート、電気温水器それぞれの使い勝手を簡単にまとめた以下の表をご覧ください。
エコキュート | ・貯湯タンクがあるから災害時に非常用水を確保できて安心 ・地球環境のことを考えた生活を送ることができる ・AI機能搭載のモデルを選べば、自動で節電が可能 ・停電中も貯湯タンクに残量があればお湯を使える |
電気温水器 | ・貯湯式は災害時に安心できる ・瞬間式は制限なくお湯が使える安心感がある ・給湯時に近隣住民への迷惑を考える必要がない |
エコキュートと貯湯式の電気温水器は、貯湯タンクの存在が安心に繋がるでしょう。
貯湯タンク内の水質が保証できないので飲料水として使うことはできませんが、非常用水として使えるので災害時に役立ちます。
省エネ性能の高いエコキュートは、さらにムダを省いてくれるAI機能搭載モデルを選ぶことで自動で節約ができ、経済的に嬉しい恩恵を手にできるでしょう。
懸念点の違い
懸念点に関しても、違いがあります。以下の表をご覧ください。
エコキュート | ・貯湯タンク内のお湯は飲料水として使えない ・使える入浴剤がメーカーごとに決められている ・お湯の使用量に計画性を持たせる必要がある ・水圧が低く、シャワー中に不便を感じる可能性がある |
電気温水器 | ・貯湯式ではタンク内のお湯は飲料水として使えない ・瞬間式は災害時用の非常用水を別で用意する必要がある |
エコキュートの最大の懸念点として、入浴剤の使用制限が挙げられます。
メーカー推奨外の入浴剤を使うと、エコキュートの配管詰まりを引き起こし、最悪の場合はエコキュートが故障する恐れもあります。
また、エコキュートの水圧は、瞬間式の電気温水器の3分の1程度という懸念点もあります。貯湯タンクにお湯を溜める際、減圧するからです。
水圧を重視する家庭では、水圧が比較的強いとされるエコキュートを購入するか、ガス給湯器と同じ水圧の瞬間式電気温水器の購入を検討しましょう。
エコキュートと電気温水器の違いから判断!どちらが家庭におすすめ?
エコキュートと電気温水器は、どちらも電気の力で給湯するという共通点があります。
しかし、共通点以外の部分では意外と多くの違いがあることがわかりました。では、家庭にとってどちらの給湯器がより良いものなのでしょうか。
エコキュートがおすすめの家庭、電気温水器がおすすめの家庭、それぞれ紹介します。
エコキュートがおすすめの家庭
エコキュートがおすすめの家庭の主な特徴は、以下の通りです。
- 初期費用の高さを許容できる家庭
- お湯の使用量が多い家庭
- 省エネを重視する家庭
- エコ意識の高い家庭
- 水圧の弱さを妥協できる家庭
- 水回りが1階に限定されている家庭
昨今、流行りを見せているエコキュート。
省エネ給湯器なので電気代の大幅削減が見込めたり、地球環境のために一役買えるメリットがありますが、初期費用の高さが懸念点です。
ただ、ランニングコストの安さから、初期費用は寿命を迎えるまでに回収できるといわれています。なので、初期費用の高さを許容できる家庭であれば、エコキュートを導入するメリットは十分にあるでしょう。
また、初期費用が高いからこそ、お湯の使用量が多い家庭で得をします。貯湯タンクの残量の中で日々の暮らしを送る必要こそあるものの、今までの電気使用量が多かった家庭こそ、エコキュートで実感できるメリットが大きくなるのです。
水圧の弱さも懸念点のひとつなので、水回りが1階に限定されている家庭でおすすめになります。キッチンや風呂場が2階以上にある家庭の場合、エコキュートが設置できない可能性もあるので注意しましょう。
電気温水器がおすすめの家庭
電気温水器がおすすめの家庭の主な特徴は、以下の通りです。
- 初期費用を少しでも抑えたい家庭
- お湯の使用量が少ない家庭
- 短期間の使用を考えている家庭
- 設置スペースに限りがある家庭
- 水回りが2階以上にある家庭(瞬間式)
電気温水器はエコキュートに比べて初期費用が割安です。したがって、給湯器導入の初期費用を少しでも抑えたい家庭は、電気温水器がおすすめになります。
ただ、電気温水器はエコキュートに比べてランニングコストがかかります。なので、お湯の使用量が少ない家庭におすすめです。
さらに、初期費用が割安なので、賃貸住宅や一時的な住まいの場合にもおすすめです。
また、エコキュートのように2種類の設備の設置場所の確保が難しい家庭は、設置場所をほとんど考えずに済む電気温水器の導入がおすすめです。
瞬間式の電気温水器はガス給湯器とほぼ同じなので、2階以上に水回りがある家庭でも安心して設置できます。
どちらも電気給湯器!エコキュートと電気温水器の違いを見極めよう!
今回の記事では、同じ電気給湯器であるエコキュートと電気温水器の違いを紹介しました。
同じ電気給湯器でも、販売価格や使いやすさなどに大きな違いがあります。それぞれおすすめの家庭にも違いがあるので、家庭にとってどちらの給湯器がおすすめなのかを見極める必要があります。
具体的にどちらがおすすめなのかわからないという場合は、『リノベステーション』に、お気軽にご相談ください。
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この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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