エコキュートは後悔する?選び方や導入におすすめな家庭の特徴も紹介

エコキュートの需要が高まっていますが、実は「エコキュートにして後悔した」という意見も多数あります。
人気が高いエコキュートで「後悔した」という声が多く挙がっている原因は何なのでしょうか。
今回の記事では、エコキュートで後悔する代表的なポイントを紹介すると共に、エコキュートの賢い選び方、エコキュートの導入がおすすめの家庭の特徴をそれぞれ紹介します。
目次
エコキュートで後悔するって本当?後悔ポイント7選!
まずは、エコキュートで実感してしまう代表的な後悔ポイントを7つ紹介します。
後悔ポイント①水圧が弱い
後悔ポイントとして、 水圧の弱さ が挙げられます。
エコキュートは、 夜間の割安な電力を利用してお湯を沸かす給湯器です。夜間に作られたお湯は貯湯タンクに溜められ、そのお湯を翌日に使う流れとなります。
そのため「貯湯タンク」の設置が必須ですが、この貯湯タンクの構造が、エコキュートの水圧に関係しています。
水道管から直接給水してお湯を作るガス給湯器などは「水道直圧式」を採用しているため、水道水の水圧を活かせます。一方で、お湯を貯めておく「貯湯式」を採用しているエコキュートは、
貯湯タンクが水圧に耐えられるように、あらかじめ水圧を下げて給水する必要があります。よって、水道直圧式の給湯器に比べると水圧が弱く感じられることがあります。
一般的な目安として、エコキュートの水圧は180kPa程度、水道直圧式のガス給湯器は500kPa程度とされていますが、これらの数値は製品やご家庭の水道圧、配管状況によって異なります。
後悔ポイント②導入費用が高い
導入費用が高いことも後悔ポイントのひとつです。
エコキュートは、省エネ性能を高めるための機能を持つ給湯器のため、他のタイプの給湯器に比べて初期費用が割高になる傾向があります。
機種や工事内容によって大きく異なりますが、一般的な導入費用の目安として、エコキュートは40〜80万円前後、ガス給湯器は10万円前後、エコジョーズ(省エネタイプのガス給湯器)は30万円前後とされています。
このように、導入費用だけを見るとエコキュートの負担は大きく感じられます。しかし、エコキュートは、月々の光熱費を抑えられる可能性があるため、長期的な視点での検討が推奨されます。
後悔ポイント③使える入浴剤が少ない
エコキュートは、 使える入浴剤が少ないのも後悔ポイントとなる場合があります。
これは、 入浴剤の成分が配管の詰まりや故障の原因となる可能性があるためです。
ただし、各メーカーが使用可能な入浴剤を公式に発表しているため、「エコキュートだから入浴剤が一切使えない」というわけではありません。
一般的に
「にごり湯タイプ」の入浴剤は、多くのメーカーで使用が推奨されていません。にごり湯タイプの入浴剤を愛用している方は、エコキュートの導入を慎重に検討したほうが良いかもしれません。
後悔ポイント④電力プランの変更が必要になる場合がある
エコキュートの導入に伴い、電力プランの変更が必要になる場合があることも知っておきましょう。
エコキュートは、夜間の電力を有効活用する給湯器です。そのため、経済的なメリットを最大限に引き出すには、契約している電力会社のプランを「夜間時間帯の電気料金が割安」なプランに変更することが一般的です。
電力会社によって、夜間電力の単価や、割安になる時間帯は異なります。ご家庭のライフスタイルに合った電力会社・電力プランを選ぶことが重要になります。
後悔ポイント⑤使える湯量が限られる
1日に使える湯量に限りがあることも後悔ポイントのひとつです。
エコキュートでは、前日の夜間に沸かしたお湯を貯湯タンクに溜めておき、それを使用します。そのため、
急な来客などでお湯の使用量が想定を大幅に超えた場合、湯切れを起こす可能性があります。
もちろん、日中にお湯を沸き増しすることも可能ですが、夜間時間帯に比べて日中の電気料金は割高に設定されているプランが多いため、注意が必要です。日中の沸き増しが増えると、電気代が高くなる要因になります。
エコキュートの経済的なメリットを活かすには、貯湯タンクの湯量を意識して生活することが大切です。
後悔ポイント⑥稼働音が気になる場合がある
稼働音が、場合によっては騒音問題に発展する可能性もゼロではありません。
エコキュートは、ヒートポンプユニットが稼働する際に40dbほどの音を発するとされています。これは、エアコンの室外機(50〜60db前後が目安)よりは静かですが、エコキュートは主に静かな夜間に稼働します。そのため、設置場所によっては、隣家への配慮が必要になる場合があります。
後悔ポイント⑦貯湯タンク内のお湯は飲用できない
貯湯タンク内のお湯をそのまま飲料水として利用することはできません。
長期間貯められたお湯は、水質が変化している可能性があるため、飲用には適さないとされています。野菜を洗ったり、お米を研いだりする際の使用も避けましょう。
災害時などの非常時にも飲料水としては使えませんが、お風呂やトイレなどの生活用水としては活用できます。
後悔したくない!エコキュートの賢い選び方は?
エコキュートの購入で後悔しないために、賢い選び方を3つ紹介します。
①家庭に合う容量の貯湯タンクを選ぶ
ご家庭の状況に合う容量の貯湯タンクを選ぶことが重要です。タンク容量が小さいと、お湯が足りなくなり日中の割高な電気で沸き増しが必要となり、電気代が高騰する恐れがあります。
一般的に、タンク容量が大きいほど本体価格も高くなります。しかし、初期費用を抑えるために容量の少ないタンクを選ぶと、かえって日々のランニングコストが高くなる可能性があるので注意が必要です。
一般的な貯湯タンク容量の目安は以下の通りです。
世帯人数 | 貯湯タンクのおすすめ容量 |
1~2人 | 180L |
2~4人 | 180L/300L |
3~4人 | 370L |
4~5人 | 460L |
5~7人 | 550L |
ただし、これらはあくまで目安です。お湯を平均よりも多く使うご家庭や、来客が多いご家庭では、目安よりも大きい容量のタンクを選ぶと安心です。
②許容できるデメリットを考え、機種を選ぶ
ご自身がどのデメリットを許容できるか考え、機種を選ぶことも大切です。
エコキュートには、これまで述べてきたようなデメリット(後悔ポイント)があります。一方で、ランニングコストを抑えられるという経済的なメリットが期待できるため、注目を集めています。
例えば、東京電力管内において、ガス給湯器からエコキュートに交換した場合、年間で4〜5万5千円前後の光熱費を削減できたという試算もあります。
※この金額は特定の条件下での試算例であり、効果を保証するものではありません。ご家庭の状況によって削減額は大きく異なります。
エコキュートの中にも、従来品より水圧を高くしたもの、使える入浴剤の種類が多いもの、水道直圧式を併用し飲用も可能なタイプなど、様々な特徴を持つ製品が登場しています。ご自身がエコキュート導入で懸念している点を洗い出し、それを解消できるような特徴を持つ機種があるか探してみましょう。
③用途に応じた給湯タイプを選ぶ
ご家庭の用途に応じた給湯タイプを選ぶのもポイントです。
エコキュートには、給湯機能のみの「給湯専用タイプ」、自動お湯張り機能がついた「オートタイプ(セミオート)」、お湯張りに加えて保温や追いだきまで自動で行う「フルオートタイプ」などがあります。
一般的に、機能が多いものほど高額になりますが、日々の生活における利便性は高まります。エコキュートの寿命は10〜15年前後といわれているため、ご家族の長期的なライフスタイルを見据えて、負担が少なく、快適に使える種類を選びましょう。
後悔しないために!エコキュートがおすすめの家庭の特徴は?
最後に、エコキュートの導入で後悔しにくいと考えられる家庭の特徴を紹介します。
特徴①家族が多い家庭
エコキュートで後悔しにくい家庭の特徴として、 家族が多い家庭
が挙げられます。家族が多いと、お湯の使用量も増えるため、導入する貯湯タンクの容量も大きくなり、初期費用は高くなる傾向にあります。
しかし、その分、毎月の光熱費における削減効果を大きく実感しやすいため、長期的に見た場合にメリットを感じやすいといえるでしょう。
特徴②水圧の弱さが気にならない家庭
水圧の弱さがあまり気にならない家庭 にもエコキュートはおすすめです。
最初は水圧の弱さに物足りなさを感じるかもしれませんが、慣れてしまえば気にならなくなることも多いようです。また、水圧が弱いことで、結果として節水に繋がり、水道代の節約が期待できる場合もあります。
どうしても水圧が気になる場合は、日立から販売されている「水道直圧給湯」タイプのエコキュートなど、高圧給湯を特徴とする製品を検討してみるのも良いでしょう。
特徴③1階でお湯を主に使う家庭
1階でお湯を主に使うご家庭 も、エコキュートがおすすめです。
貯湯式の性質上、水圧が弱くなることがあるエコキュートでは、給湯器から遠い2階以上にお風呂やキッチンがあると、さらに水圧が弱く感じられることがあります。そのため、パワフルな給湯が可能な上位機種が選択肢になることが多くなります。1階に水まわりが集中しているご家庭であれば、より多くの機種からご家庭に合うものを自由に選択しやすいでしょう。
エコキュートの購入で後悔したくない!選び方を間違えないことが大切!
今回の記事では、エコキュートで後悔するポイントや後悔しないためのエコキュートの選び方などを紹介しました。
「後悔する」という口コミが見られるエコキュートですが、ご家庭の状況やライフスタイルをよく考え、デメリットを許容できる、あるいは解消できる機種を選べば、後悔する可能性は少なくなるでしょう。
ぜひご家庭に合うエコキュートを見つけてくださいね。
この記事の監修者

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