V2H 対応車種【2025年版】国産・輸入EV/PHEVリストと注意点

目次
V2Hとは?電気自動車を「家庭用蓄電池」にする仕組み
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及とともに、「V2H」という言葉をよく聞くようになりました。V2Hは、単に車に充電するだけでなく、車から家に電気を供給することも可能にする技術で、エネルギーの新しい活用法として注目されています。しかし、「どんな車でもV2Hができるの?」「対応している車種は?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。このセクションでは、まずV2Hの基本的な仕組みとメリット、そしてV2Hを利用するための前提条件について解説します。
V2H(Vehicle to Home)の基本をサッと理解
V2Hは「Vehicle to Home」の略で、文字通り「クルマから家へ」電気を送る技術やシステムのことです。専用のV2H機器を介して、EVやPHEVに搭載されている大容量バッテリーの電気を、家庭用の電力として利用できるようにします。
EV/PHEVの大容量バッテリーを家庭で活用する技術
EVやPHEVは、走行のために非常に大きなバッテリーを搭載しています。これは、一般的な家庭用蓄電池の容量を上回ることも少なくありません。**V2Hは、この車載バッテリーを「移動できる蓄電池」として捉え、走行時以外にも家庭の電源として有効活用しようという考え方に基づいています。**車が家にある時間帯に、バッテリーに貯めた電気を家で使うことができるようになります。
V2Hでできること:電気代節約と災害時の備え
V2Hを導入する主なメリットは大きく二つあります。一つは「電気代の節約」です。電気料金の安い深夜電力や、太陽光発電で作った電気をEV/PHEVに貯めておき、電気料金の高い昼間などに家庭で使うことで、電力会社から購入する電気量を減らせます。もう一つは「災害時の備え」です。停電が発生した場合でも、EV/PHEVのバッテリーに残量があれば、それを非常用電源として活用し、家で電気を使うことができます。
重要!すべてのEV/PHEVがV2H対応ではない理由
ここで非常に重要なのは、市場にあるすべてのEVやPHEVがV2Hに対応しているわけではないという点です。V2Hを利用するには、車両側と、接続するV2H機器側の両方に、特定の機能や適合性が求められます。
車両側に必要な「外部給電機能」(V2H対応充電口)
まず、車両側に家庭へ電力を供給するための「外部給電機能」が搭載されている必要があります。これは、単に充電を受け入れるだけでなく、電気を送り出すことができる能力です。**具体的には、CHAdeMO(チャデモ)規格に準拠した急速充電口がV2Hに対応している必要があります。**この機能がない車種では、V2H機器を接続しても家への給電はできません。
接続する「V2H機器」との適合性も必須
車両がV2Hに対応していても、接続する「V2H機器」(V2H充放電設備)との間で適合性が確認されていなければ、正常に動作しない、あるいは最悪の場合、車両や機器の故障につながる可能性もあります。**V2H機器メーカーは、自社製品と接続して動作確認済みの車種リストを公開していることが一般的です。**このリストに載っている車種を選ぶか、あるいは導入したい車種がV2H機器に対応しているかを確認することが不可欠です。
【2025年版】V2H対応車種リスト(主要メーカー・モデル例)※必ず最新情報をご確認ください
では、具体的にどのような車種がV2Hに対応しているのでしょうか?ここでは、2025年4月21日時点でV2H対応が確認されている、または対応している可能性が高い主要な国産車・輸入車のモデルを例として挙げます。ただし、これはあくまで代表例であり、完全なリストではありません。また、年式、グレード、オプション等によって対応状況は異なります。必ず購入前に自動車メーカーやV2H機器メーカーの公式情報で最新かつ正確な情報を確認してください。
国産メーカーのV2H対応車種(代表例)
日本の自動車メーカーは、比較的早期からV2Hへの対応を進めてきました。特に日産と三菱自動車は対応車種が豊富です。
日産:リーフ、サクラ、アリアなど(早期から対応)
日産はV2H技術に積極的で、主力EVの**「リーフ」は多くのモデルでV2Hに対応しています。軽EVの「サクラ」やクロスオーバーEVの「アリア」**もV2H対応グレードが存在します。長年の実績があり、対応するV2H機器も多いのが特徴です。中古車市場でもV2H対応のリーフは見つけやすいでしょう。(※年式・グレード要確認)
三菱自動車:アウトランダーPHEV、エクリプス クロスPHEV、eKクロス EVなど(PHEVも豊富)
三菱自動車は、PHEVのパイオニアであり、「アウトランダーPHEV」や「エクリプス クロスPHEV」といったPHEVモデルでV2Hに対応しています。EVだけでなくPHEVでもV2Hを利用したい場合に有力な選択肢となります。軽EVの**「eKクロス EV」**(日産サクラの兄弟車)も対応しています。(※年式・グレード要確認)
トヨタ:bZ4X(一部グレード・改良後など条件注意)、プリウスPHEV(最新モデルの一部グレード※)など
トヨタでは、EVの**「bZ4X」が、一部グレードや改良後のモデルなどでV2H機能に対応している場合があります(※対応状況は複雑なため、メーカーへの詳細確認が特に重要です)。また、人気の「プリウスPHEV」**も最新モデルの一部グレードでV2H対応となっています。今後の対応車種拡大が期待されます。(※年式・グレード要確認)
ホンダ、マツダ、スバル等の動向:今後の対応拡大に期待
ホンダの**「Honda e」(生産終了モデル)はV2H対応でしたが、現行モデルでの対応状況は確認が必要です。マツダの「MX-30 EV MODEL」やスバルの「ソルテラ」**(トヨタbZ4Xの兄弟車)なども、今後のモデルチェンジや改良でV2H対応が拡大される可能性があります。各社の動向に注目しましょう。(※最新情報は要確認)
輸入メーカーのV2H対応車種(代表例)
輸入車メーカーでも、V2Hへの対応が徐々に進んでいます。特にアジア系のメーカーが積極的な動きを見せています。
ヒョンデ:IONIQ 5(アイオニック 5)など
韓国のヒョンデ(現代自動車)が日本市場で展開するEV**「IONIQ 5」**は、V2L(Vehicle to Load:車から電気製品へ給電)機能に加えて、V2Hへの対応も表明されています(※V2H機器との適合性確認は必要)。先進的なデザインと機能で注目されています。
BYD:ATTO 3(アットスリー)、DOLPHIN(ドルフィン)など
中国の大手EVメーカーBYDも日本市場に参入しており、**「ATTO 3」や「DOLPHIN」**といったモデルでV2H対応を謳っています(※V2H機器との適合性確認は必要)。コストパフォーマンスの高さも魅力の一つとされています。
その他の輸入車メーカー:テスラや欧州メーカーの現状は?
テスラ車は、現在のところ日本のCHAdeMO規格ベースのV2Hには標準で対応していません。また、欧州メーカーのEV(メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディなど)も、充電規格の違い(欧州はCCS規格が主流)などから、日本国内でのV2H対応は限定的、または非対応の場合が多いのが現状です。今後の技術的な対応や規格の統一化が待たれる状況です。(※2025年4月時点)
【最重要】V2H対応車種情報の確認方法と注意点
ここまで代表的な車種例を挙げましたが、**繰り返しになりますが、これらの情報は参考程度とし、必ずご自身で最新かつ正確な情報を確認することが最も重要です。**確認方法と注意点をまとめます。
確実な情報源は自動車メーカー公式サイト・カタログ
**検討している車種がV2Hに対応しているかどうかを確認する最も確実な方法は、その自動車メーカーの公式ウェブサイトや、最新の車種カタログを確認することです。**仕様表や装備一覧に「外部給電機能」や「V2H対応」といった記載があるかを確認しましょう。不明な場合は、ディーラーに直接問い合わせるのが確実です。
グレード・年式・オプションで対応可否が異なるケースに注意
**同じ車種名であっても、グレード(装備の違い)や年式(製造された時期)、あるいはオプションの選択によって、V2Hに対応している場合と、対応していない場合があります。**例えば、「〇〇グレード以上で標準装備」「〇〇年〇月以降の生産モデルから対応」「メーカーオプションの選択が必要」といったケースです。中古車を検討する場合は特に注意が必要です。
V2H機器メーカーの対応車種リストも必ず参照する
車両側がV2H対応でも、**導入したいV2H機器メーカーが、その車種との接続・動作確認を行っているかを確認する必要があります。**ニチコン、デンソー、シャープ、オムロンなどの主要なV2H機器メーカーは、自社ウェブサイトなどで対応(適合)車種リストを公開しています。自動車メーカーとV2H機器メーカーの両方の情報を確認し、適合していることを確かめてから導入を進めましょう。
V2H対応車種を選ぶ際のポイントと今後の展望
V2Hシステムを導入することを前提にEVやPHEVを選ぶ場合、単にV2H対応かどうかだけでなく、いくつかのポイントを考慮すると、より満足度の高い選択ができます。また、今後のV2H対応車種の動向についても触れておきましょう。
我が家に合うV2H対応車種を選ぶ3つのポイント
V2Hライフを快適に送るために、以下の3つのポイントを意識して車種を選んでみましょう。
ポイント1:バッテリー容量は十分か?(家庭の電力消費量と比較)
V2Hで家庭の電力を賄う場合、車のバッテリー容量が重要になります。**自宅の1日あたりの平均的な電力消費量に対して、車のバッテリー容量が十分にあるかを確認しましょう。**容量が小さいと、すぐにバッテリーが空になってしまい、期待した効果が得られない可能性があります。特に停電時の備えとして重視する場合は、数日間分の電力を賄える容量があると安心です。
ポイント2:クルマからの給電能力(出力kW)は?
V2Hで車から家に供給できる電力の大きさ(出力、kWキロワット)も確認しましょう。**出力が小さいと、同時に使用できる家電製品が限られてしまいます。**例えば、エアコンやIHクッキングヒーター、電子レンジといった消費電力の大きな機器を同時に使いたい場合は、V2Hシステムの出力(通常はV2H機器の仕様で決まることが多いですが、車両側にも制限がある場合があります)が十分かを確認する必要があります。
ポイント3:V2H機器との相性・推奨機器を確認する
前述の通り、V2H機器と車両の適合性は非常に重要です。**自動車メーカーによっては、特定のV2H機器との接続を推奨している場合があります。**また、V2H機器メーカーの対応車種リストを確認し、確実に動作する組み合わせを選ぶことがトラブルを避ける上で大切です。設置を依頼する業者にも、推奨される組み合わせや実績について相談してみましょう。
V2H対応車種はこれからもっと増える?未来予測
現在、V2H対応車種はまだ限られていますが、今後はさらに増えていくことが期待されています。その背景と今後の展望を見てみましょう。
各自動車メーカーの電動化戦略とV2Hへの取り組み
世界的に自動車の電動化シフトが進む中、多くの自動車メーカーがEVやPHEVの開発に力を入れています。それに伴い、**単に走行性能だけでなく、バッテリーをエネルギー源として多様に活用するV2Hのような付加価値にも注目が集まっています。**今後、新型EV/PHEVが登場する際には、V2H対応が標準的な機能となる可能性も十分に考えられます。
充電規格(CHAdeMO等)の動向とV2H普及の関係
現在、日本国内のV2Hは主にCHAdeMO(チャデモ)という急速充電規格をベースにしています。**このCHAdeMO規格が今後どのように進化し、国際的な標準規格(CCSやNACSなど)とどう連携していくかによって、V2Hの普及度合いや対応車種の広がりも影響を受ける可能性があります。**技術標準化の動向にも注目していく必要があるでしょう。
まとめ – 最新情報を確認して最適なV2H対応車種を選ぼう
V2H(Vehicle to Home)は、EVやPHEVのバッテリーを家庭用電源として活用する魅力的な技術です。電気代の節約や災害時の備えとして大きなメリットが期待できます。
しかし、**重要なのは、全てのEV/PHEVがV2Hに対応しているわけではないという点です。**車両側に外部給電機能が必要であり、かつ接続するV2H機器との適合性も確認されている必要があります。
この記事では、2025年4月時点で考えられる主要なV2H対応車種の例を挙げましたが、車種情報は非常に流動的であり、グレードや年式によっても異なるため、必ず自動車メーカーおよびV2H機器メーカーの公式サイトで最新かつ正確な情報を確認してください。
V2H対応車種を選ぶ際は、バッテリー容量や給電能力、そしてV2H機器との相性を考慮することが大切です。今後、V2H対応車種はさらに増えていくことが期待されます。
最新情報をしっかりと収集・確認し、ご自身のライフスタイルやニーズに合った最適なV2H対応車種を選び、スマートで安心なカーライフ&エネルギーライフを実現しましょう。
V2H対応車種に関するQ&A
Q1: 今乗っているEV/PHEVがV2Hに対応しているか確認する方法は?
A1: まず、お乗りの車の取扱説明書やメーカー公式サイトの仕様表を確認し、「外部給電機能」やV2Hに関する記載があるか探してください。次に、ニチコンやデンソーといったV2H機器メーカーのウェブサイトで公開されている対応(適合)車種リストにお乗りの車種(年式・グレード含む)が掲載されているかを確認します。不明な場合は、自動車ディーラーやV2H機器メーカーに問い合わせるのが確実です。
Q2: V2H対応車種は中古車でもありますか?
A2: はい、あります。特に日産リーフなどは、初期のモデルからV2Hに対応している場合が多く、中古車市場でも比較的見つけやすいです。三菱アウトランダーPHEVなども中古での流通があります。ただし、中古車の場合は特に年式やグレードによってV2H対応状況が異なるため、購入前に必ず対応しているかを確認することが非常に重要です。
Q3: V2H機器と車のメーカーが違っても使えますか?
A3: はい、使えます。V2Hは特定の自動車メーカーとV2H機器メーカーの組み合わせに限定されるものではありません。重要なのは、V2H機器メーカーが、その車種との接続・動作確認を行い、「対応(適合)車種」としてリストに掲載しているかどうかです。この適合性が確認されていれば、メーカーが異なっていても基本的に使用可能です。
Q4: すべてのV2H機器がすべてのV2H対応車種で使えるわけではない?
A4: その通りです。V2H機器メーカーは、自社製品と各V2H対応車種との接続テストを行い、適合性を確認しています。そのため、**あるV2H機器が対応している車種でも、別のV2H機器ではまだ対応確認が取れていない、あるいは非対応という場合があります。**導入したいV2H機器が決まっている場合は、その機器の対応車種リストを確認することが必須です。
Q5: これからV2H対応車種は増えますか?
A5: **増える可能性は非常に高いと考えられます。**自動車メーカー各社がEV・PHEVのラインナップを拡充しており、V2Hはエネルギー活用や災害対策の観点から重要な付加価値となるため、今後発売される新型車での採用が進むと予想されます。また、技術の標準化などが進めば、さらに対応車種が広がることも期待できます。
この記事の監修者

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