蓄電池の値段はいくら?2025年最新相場と価格を抑える方法

太陽光発電とセットで導入することで、電気代削減や停電対策に大きな効果を発揮する家庭用蓄電池。導入を検討する上で、やはり一番気になるのは「値段はいくらくらいかかるの?」ということではないでしょうか。高価な設備だからこそ、相場を知り、納得できる価格で導入したいものです。この記事では、2025年4月現在の最新情報に基づき、家庭用蓄電池の値段の内訳、容量別の相場、価格を左右する要因、そして費用を賢く抑えるためのポイントなどを詳しく解説していきます。
目次
家庭用蓄電池の値段の内訳:本体価格だけじゃない!
まず理解しておきたいのは、家庭用蓄電池の「値段」とは、単に蓄電池本体の価格だけではないということです。実際に使える状態にするまでには、様々な機器費用と工事費用がかかります。どのような費用が含まれるのか、その内訳を見ていきましょう。
蓄電池本体の価格
これは、システムの中核となる機器本体の価格で、主に以下の二つで構成されます。
- 蓄電池ユニット: 実際に電気を貯蔵するバッテリー部分です。リチウムイオン電池が主流です。
- パワーコンディショナ: 蓄電池の充放電を制御したり、電気の種類(直流・交流)を変換したりする装置です。太陽光発電と共用する「ハイブリッド型」と、蓄電池専用の「単機能型」があります。 この本体価格は、蓄電池の値段の大きな部分を占めますが、メーカー、蓄電容量(kWh)、搭載されている機能(全負荷型か特定負荷型か、AI機能の有無など)、性能(充放電効率など)によって大きく異なります。
設置工事費
蓄電池本体を自宅に設置し、電気を使えるようにするための工事費用です。専門の技術者による作業が必要となります。主な内容としては、
- 基礎工事: 屋外設置の場合など、蓄電池ユニットを設置するためのコンクリート基礎を作る工事。
- 機器設置: 蓄電池ユニットやパワーコンディショナを所定の場所に設置・固定する作業。
- 電気配線工事: 蓄電池、パワーコンディショナ、分電盤、太陽光発電システムなどを電気的に接続する工事。
- その他: 搬入・運搬費、安全対策費(足場設置が必要な場合など)が含まれることもあります。 設置場所の状況(屋内/屋外、搬入経路、分電盤の位置など)や工事の難易度によって、この工事費は変動します。
その他の費用(諸経費など)
上記以外にも、見積もりには諸経費として、電力会社への申請手続き代行費用、システムの設計費用、業者の管理費や利益などが含まれるのが一般的です。見積書を受け取ったら、どのような項目が含まれているのか、内訳をしっかり確認することが大切です。
重要なのは「設置工事費込みの総額」
カタログなどに記載されている蓄電池本体のメーカー希望小売価格だけを見ても、実際に導入に必要な総費用を知ることはできません。蓄電池の値段を比較検討する際は、必ず「蓄電池本体価格」と「設置工事費」、「諸経費」をすべて含んだ「導入総額」で考えることが重要です。 業者から見積もりを取る際は、必ずこの「総額」と、その詳細な「内訳」を確認するようにしましょう。
家庭用蓄電池の値段相場(2025年最新)
では、実際に家庭用蓄電池を導入するには、どのくらいの費用(導入総額)を見込んでおけばよいのでしょうか。2025年現在の最新の価格相場を、蓄電容量別、そして比較の指標となるkWh単価で見ていきましょう。
容量別の値段相場(工事費込み総額)
家庭用蓄電池の導入費用(工事費込み総額)は、貯められる電気の量を示す「蓄電容量(kWh)」によって大きく変わります。あくまで目安ですが、現在の価格相場観としては以下のようになります。(※メーカー、機種、機能、工事内容により価格は変動します。)
- 小型容量(~5kWh程度): 比較的導入しやすい価格帯ですが、貯められる電気量は少なめです。停電時に最低限の備え(スマホ充電や照明など)を確保したい場合や、日々の電気代削減効果を少しでも得たい場合に適しています。 → 目安総額:80万円 ~ 150万円程度
- 中容量(5kWh~10kWh程度): 現在、家庭用として最も多く選ばれている人気の容量帯です。1日の電力消費量の一部をカバーしたり、停電時に冷蔵庫やテレビなど主要な家電を数時間~半日程度使ったりするのに適しています。バランスの取れた容量と言えるでしょう。 → 目安総額:100万円 ~ 200万円程度
- 大容量(10kWh~): 家族の人数が多い、あるいは日中の電力消費量が多いご家庭、オール電化住宅、停電時に長時間・多くの家電を安心して使いたいというニーズに応える容量です。導入費用は高くなりますが、得られるメリットや安心感も大きくなります。 → 目安総額:150万円 ~ 300万円以上
これらの価格は、あくまで一般的な目安です。後述する補助金制度を活用することで、実際の自己負担額はこれよりも大幅に軽減される可能性があります。
kWh単価での比較:1kWhあたりいくら?
蓄電池の価格水準を、容量の違いを考慮せずに比較するための指標として「kWh(キロワットアワー)単価」があります。これは、蓄電池システムの導入総額を、その蓄電容量(kWh)で割った値(単位:円/kWh)です。
例えば、容量が7kWhの蓄電池システムの導入総額が140万円だった場合、kWh単価は「140万円 ÷ 7kWh = 20万円/kWh」となります。
経済産業省の調査データなどによると、近年の家庭用蓄電池システムのkWh単価は、1kWhあたりおおむね15万円~25万円程度の範囲に収まる製品が多くなっています。一般的に、蓄電容量が大きいモデルほど、このkWh単価は安くなる傾向があります。業者から見積もりを取った際には、総額だけでなく、このkWh単価を計算してみることで、提示された価格が相場と比較して妥当かどうかを判断する一つの材料になります。
価格の推移:年々低下傾向にあるが…
家庭用蓄電池の価格(kWh単価)は、技術開発の進展や量産効果、そしてメーカー間の競争などにより、長期的には低下する傾向にあります。数年前と比べると、同じ容量でもより安価に導入できるようになってきています。
今後も緩やかな価格低下は期待されますが、一方で、近年は蓄電池の主要材料であるリチウムやコバルトといったレアメタルの価格が高騰したり、世界的な電気自動車(EV)の普及に伴って電池需要が増加したり、あるいは円安や物流コストの上昇といった要因が、価格の下落を抑制、あるいは押し上げる可能性も指摘されています。そのため、「数年待てばもっと劇的に安くなる」と期待しすぎるのは難しいかもしれません。最新の市場動向や補助金制度の状況を踏まえ、ご自身の家庭にとって最適な導入タイミングを見極めることが重要です。
蓄電池の値段を左右する要因
蓄電池の値段は、なぜ製品や導入ケースによってこれほど差が出るのでしょうか? 価格を決定づける主な要因を理解しておきましょう。
蓄電容量(kWh)
値段に最も直接的に影響するのが、電気を貯める容量(kWh)の大きさです。 容量が大きいほど、多くのリチウムイオン電池セルが必要となり、材料費や製造コストが増加するため、製品本体の価格も高くなります。どのくらいの容量が必要かは、家庭の電力使用量や導入目的によって異なります。適切な容量を選ぶことが、無駄なコストをかけないための第一歩です。
メーカーとブランド
どのメーカーの製品を選ぶかによっても、値段は大きく変わってきます。 国内の大手総合電機メーカー、太陽光発電メーカー、蓄電池専業メーカー、そして海外メーカーなど、多くの企業が市場に参入しています。一般的に、ブランド力のある大手メーカーの製品は価格が高めに設定される傾向がありますが、品質や保証、サポート面での安心感が期待できます。価格競争力のあるメーカーもありますが、信頼性やサポート体制をしっかり確認することが重要です。
機能と性能
蓄電池に搭載されている様々な機能や性能も価格に影響します。
- バックアップ範囲: 停電時に家全体をカバーする「全負荷型」は、特定の回路のみをカバーする「特定負荷型」よりも高価です。
- パワコンタイプ: 太陽光パワコンと一体の「ハイブリッド型」は、蓄電池専用の「単機能型」よりも高価ですが、システム全体で見るとコストメリットが出る場合もあります。
- 付加機能: AIによる自動制御機能、HEMS連携、V2H対応、遠隔操作機能など、高機能なモデルほど価格は高くなります。
- 基本性能: 充放電効率が高い、サイクル寿命(繰り返し充放電できる回数)が長いなど、基本性能が高い製品も価格が高くなる傾向があります。 本当に必要な機能を見極めることが大切です。
設置工事の内容
設置工事の内容も、導入総額を左右する大きな要素です。 特に以下の点が費用に影響します。
- 設置場所: 屋内か屋外か、設置場所までの搬入経路の確保、基礎工事が必要かなど。
- 電気工事: 分電盤の交換や改修が必要か、太陽光発電との接続方法、配線の長さや隠蔽(壁内などに隠す)の有無など。
- 足場の要否: 太陽光発電と同時設置する場合などで足場が必要になると、十数万円単位で費用が増加します。
- 業者の技術料: 施工業者の設定する工事費単価。 設置場所の状況は各家庭で異なるため、必ず現地調査に基づいた詳細な工事費見積もりが必要です。
蓄電池の値段を安く抑えるためのポイント
高価なイメージのある蓄電池ですが、いくつかのポイントを押さえることで、導入費用を賢く抑えることが可能です。
補助金制度を徹底活用する
蓄電池導入の費用負担を軽減する最も効果的な方法は、国や地方自治体が実施している補助金制度を活用することです。 国による補助金は時期や対象が限定的ですが、お住まいの都道府県や市区町村が独自の補助金制度を用意している可能性は非常に高いです。 自治体によっては、導入費用の数分の一や、数十万円単位の補助が受けられるケースもあります。
まずは、お住まいの自治体の公式ウェブサイトなどで、最新の補助金情報を必ず確認しましょう。 申請には期限や予算枠があり、また「契約前の申請」が必須条件の場合がほとんどなので、早めの情報収集と準備、そして迅速な申請が鍵となります。
複数の業者から相見積もりを取る
適正な価格で、かつ納得できる条件で契約するためには、複数の業者(最低でも3社程度)から見積もりを取ること(相見積もり)が不可欠です。 同じメーカーの同じ機種であっても、販売・施工業者によって提示される価格(特に工事費や諸経費)は異なります。複数の見積もりを比較検討することで、価格の妥当性を判断しやすくなり、価格交渉の材料にもなり得ます。ただし、単に総額が安いというだけで業者を選ぶのは危険です。見積もりの詳細な内訳、提案内容、業者の施工実績や信頼性、保証内容、アフターサービスなども含めて、総合的に比較検討しましょう。
家庭に合った容量・機能を選ぶ
必要以上に大きな容量の蓄電池や、使わないかもしれない多機能なモデルを選ぶことは、無駄なコスト増につながります。 家庭の平均的な電力使用量(特に夜間や朝夕)、停電時に最低限使いたい家電の種類と時間、太陽光発電システムの容量などを考慮し、ご自身のライフスタイルや導入目的に合った、過不足のない適切な容量・機能の製品を選ぶことが、費用を最適化する上で非常に重要です。業者に相談する際には、ご自身の希望や使い方を具体的に伝え、最適なモデルを提案してもらいましょう。
太陽光発電とセットで導入を検討する
もし、これから太陽光発電システムも新たに設置するのであれば、蓄電池と太陽光発電をセットで導入することも、費用を抑えるための一つの選択肢となり得ます。セット導入のメリットとしては、
- 工事費の効率化: 足場の設置(必要な場合)や電気配線工事などを一度にまとめて行えるため、別々に工事するよりもトータルの工事費を抑えられる可能性があります。
- ハイブリッド型パワコンのメリット: 太陽光用と蓄電池用のパワコンを1台に集約したハイブリッド型を選べるため、機器費用や設置スペースを節約できる場合があります。
- セット割引やキャンペーン: 業者によっては、セット導入に対して特別な割引やキャンペーンを実施している場合があります。 などが挙げられます。既に太陽光発電を設置済みの場合でも、例えば太陽光発電のパワーコンディショナの交換時期(通常10~15年)に合わせて蓄電池(特にハイブリッド型)を導入する、といった計画も考えられます。
まとめ:蓄電池の値段と価値を正しく理解しよう
家庭用蓄電池の値段は、容量、メーカー、機能、そして工事内容など、多くの要因によって決まります。決して安い買い物ではありませんが、その価値は単なる節約効果だけではありません。
- 蓄電池の値段は「導入総額(本体価格+工事費+諸経費)」で考えることが重要。
- 容量別相場(工事費込)は、小型(~5kWh)で80~150万円、中型(5~10kWh)で100~200万円、大型(10kWh~)で150万円~が目安。
- kWh単価(15~25万円/kWh程度)も価格比較の指標になる。
- 値段は容量、メーカー、機能、工事内容で変動する。
- 費用を抑えるには補助金の活用、相見積もり、適切な容量・機能選択、セット導入検討などが有効。
- 設置後の維持費用(メンテナンス、パワコン交換等)も考慮に入れる必要がある。
電気代削減、停電時の安心、環境貢献といったメリットと、導入費用や維持費用を総合的に比較検討し、補助金制度なども賢く活用しながら、ご自身の家庭に最適な蓄電池導入を実現しましょう。
蓄電池の値段に関するQ&A
蓄電池の値段について、よくある質問にお答えします。
Q1. 蓄電池本体だけの値段は分かりますか?
回答:メーカー希望小売価格が公表されている場合もありますが、あくまで参考です。一般的に蓄電池は設置工事費込みのシステムとして販売されるため、本体だけの正確な市場価格を知るのは困難です。 重要なのは工事費などを含めた導入総額で比較することです。
Q2. 容量が大きいほどお得(kWh単価が安い)ですか?
回答:一般的に容量が大きい方がkWh単価は安くなる傾向がありますが、初期費用は高額になります。家庭の電力使用量に対して必要以上に大容量のモデルを選ぶと、投資回収期間が長引く可能性があります。適切な容量を選ぶことが重要です。
Q3. 中古の蓄電池は安いですが、どうですか?
回答:中古品は安価ですが、性能劣化が不明で、メーカー保証がないことがほとんどです。設置工事費もかかります。信頼できる業者による性能保証付きの認定中古品などを除き、リスクが高いため、基本的には新品をお勧めします。
Q4. 蓄電池の値段は今後下がりますか?
回答:長期的には価格は低下傾向にありますが、ペースは緩やかになる可能性も。原材料価格の高騰や需要増などが価格上昇要因となる可能性もあります。現在の価格相場と補助金制度を考慮し、最適な導入タイミングを判断することが重要です。
Q5. 一番安い見積もりを出してきた業者に決めて良いですか?
回答:安さだけで決めるのは危険です。 極端に安い場合は、低品質な機器、粗雑な工事、不十分な保証などの可能性があります。価格だけでなく、見積もり内容、機器の品質、業者の信頼性、保証などを総合的に比較し、納得できる業者を選びましょう。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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