井戸水対応のエコキュートとは?井戸水が使えるメーカーや懸念点も

かつてエコキュートでは井戸水が使えませんでしたが、昨今では井戸水対応のエコキュートも多く販売されるようになりました。
そこで今回の記事では、エコキュートで井戸水がNGだった主な理由、エコキュートで井戸水を使うリスク、井戸水対応のエコキュートを販売している主なメーカーや井戸水対応のエコキュートにおける懸念点をそれぞれ紹介します。
目次
井戸水対応のエコキュートが気になる!井戸水NGが多い理由は?
地域によっては、井戸水や地下水を使っている家庭も多いでしょう。
ただ、エコキュートで井戸水は使えないといわれています。一体どういうことなのでしょうか。具体的に解説します。
井戸水とは?
井戸水は、地層や地中で自然にろ過された地下水をくみ上げたものです。別名「天然水」ともいわれています。
昨今では、電動ポンプで井戸水をくみ上げ、農業や産業で多く利用されています。
もちろん家庭でも井戸水を使うことができ、水道水とは別に井戸水を利用可能にすることで、断水が発生しても水を利用できるメリットがあります。また、水道水と井戸水を併用することで、水道代の節約も叶うでしょう。
井戸水と水道水の違いは?
井戸水は自然に殺菌処理されていますが、浄水場でろ過作業を行っている水道水に比べると不純物の含有量は多くなります。
水道水は水道法第4条やその他の法律でも水質が厳しく管理されていますが、井戸水には水質の法的制限はありません。
そのため、安全性の高さでいうと水道水に軍配が上がります。
エコキュートは不純物に弱いので井戸水NG!
エコキュートは不純物に弱い設備です。たとえば、成分の一部がエコキュートの機能を害するとして、入浴剤の使用も制限されているほどです。
水道水は、不純物を限りなく取り除き、安全性や衛生面が徹底的に管理されています。一方で井戸水は殺菌処理が自然にされているだけなので、カルシウムやマグネシウムなどの不純物が成分として残っています。
これらの不純物は、エコキュートが熱交換で給湯する際に固形物となる恐れがあります。1回に出る固形物はわずかなもの。
ですが、「ちりも積もれば山となる」ということわざの通り、それが蓄積されることで配管や浴槽フィルターが目詰まりを起こし、最終的にエコキュート本体が故障するリスクがあります。
そのため、エコキュートでは基本的に井戸水の利用が制限されているのです。
井戸水対応ではないエコキュートで井戸水を使う主なリスクは?
井戸水対応ではないエコキュートで井戸水を使った場合、どういったリスクがあるのでしょうか。具体的に2つのリスクを紹介します。
リスク①エコキュートの故障リスクが上がる
最大のリスクは、エコキュートが故障する確率が高まることです。
エコキュートは他の給湯器に比べて2〜3倍ほど高額な設備のため、井戸水の使用に慎重になる家庭が多いでしょう。
エコキュートで井戸水を使いたい場合は、エコキュート購入の時点で「井戸水対応タイプ」を検討してください。
リスク②保証を使えない可能性が高まる
保証を使えない可能性が高まるのもリスクのひとつです。
エコキュートには、1〜5年(有償であれば10年前後)ほどの保証期間が設けられています。何かしらの不調時に使える保証は、メーカーが推奨する使い方を順守している場合にのみ適用されるものです。
井戸水に非対応のエコキュートで井戸水を利用した場合、メーカーが推奨している使い方に反しているため、エコキュートに何らかの不調が見られた場合も保証を使えない可能性が高いです。
井戸水を使うなら井戸水対応のエコキュートを購入しよう!主なメーカーは?
エコキュートに井戸水を使いたい場合でも安心してください。メーカーによっては、井戸水対応のエコキュートを販売しているケースがあるからです。
そこでここからは、井戸水対応のエコキュートを販売している主なメーカーについて具体的に解説します。
井戸水対応のメーカー①日立
井戸水対応のメーカーとして、日立が挙げられます。井戸水対応の機種は「ナイアガラ タフネス」です。
日立のエコキュートは、全機種で「水道直圧方式」を採用しています。
ガス給湯器と同じ仕組みで給湯している関係で、貯湯タンクの水の入れ替え量を30分の1まで減少。これによって、不純物を多く含む井戸水を使っても問題ありません。
さらに「ナイアガラ タフネス」では、腐食に強い給湯配管を採用しています。そのため、サビや腐食、配管の詰まりが起こりにくくなっています。5年間の保証期間を設けているのも嬉しい特徴です。
水道直圧方式を採用しているため、エコキュートで懸念される「水圧の弱さ」を実感することもありません。
井戸水対応のメーカー②ダイキン
ダイキンは、販売されている全エコキュートが井戸水対応です。
水質検査を依頼し、問題がなければ井戸水対応のエコキュートを購入できます。
対応機種の幅が広いので、より家庭に合うエコキュートを購入できるでしょう。
ダイキンの井戸水対応のエコキュートは、従来のメーカー保証(5年)とは別に、井戸水対応のエコキュート向けの3年間の保証を受けることができます。
ダイキンのエコキュートは寒冷地・塩害地仕様の販売があったり、スマホとの連携機能を搭載した機種もあります。
ウルトラファインバブル機能のある機種であれば、毎日の入浴タイムをより快適なものにできるかもしれません。チャイルドロック機能もあるので、小さなお子様がいる家庭にもおすすめです。
井戸水対応のメーカー③パナソニック
パナソニックも、販売されている全機種の中から井戸水対応のエコキュートを購入できます。
ダイキン同様、水質検査を依頼し、問題がなければ井戸水対応のエコキュートを購入する流れです。
パナソニックのエコキュートは、業界トップクラスのシェア率を誇っています。具体的な魅力は、省エネ性能の高さと幅広いラインナップがあることです。
家庭に合う井戸水対応のエコキュートを見つけやすく、場合によってはランニングコストも最小限にできるかもしれません。
井戸水対応のエコキュートが気になる!主な懸念点は?
エコキュートで井戸水の利用を検討しているのであれば、井戸水対応のエコキュートを購入する必要があります。
そこで最後に、井戸水対応のエコキュートにある主な懸念点を4つ紹介します。さっそく見ていきましょう。
懸念点①導入費用が多少割高になる
井戸水対応のエコキュートには、導入費用が多少割高になる懸念点があります。
不純物の多い井戸水に対応するために特殊な加工をしているので、当然のことといえるでしょう。具体的には、標準仕様のエコキュートに比べ、本体価格が10〜15万円前後高くなります。
エコキュートはランニングコストの大幅削減が見込めるため、割高になる導入費用は確実に回収できるといわれています。
ただ、井戸水対応のエコキュートは導入費用が10〜15万円上がるので、その場合のシミュレーションをしっかり確認しておきましょう。黒字転換が確実視されないようであれば、井戸水の利用は諦め、標準仕様のエコキュートの購入を検討すべきです。
具体的にシミュレーションをしてみたい場合は、弊社『リノベステーション』にお問い合わせください!販売価格情報や口コミ、おすすめランキングなど、独自の視点から商品をチェックしていきます。
懸念点②選べるメーカーに限りがある
選べるメーカーに限りがあるのも井戸水対応のエコキュートにおける懸念点です。
家庭に合うエコキュートを見つけられない可能性があることは頭に入れておきましょう。
懸念点③水質検査を依頼する必要がある
水質検査を依頼する必要があるのも懸念点のひとつです。
特にダイキンとパナソニックの井戸水対応のエコキュートでは、購入前の水質検査は必須。水質検査料として16,500円(税込み)がかかります。
エコキュートの設置が不可能と判断された場合は費用が無料になりますが、エコキュートに井戸水を利用したい場合は16,500円の別途費用の出費は覚悟しなければならないでしょう。
懸念点④井戸ポンプと相性が悪い場合がある
井戸ポンプと相性が悪い場合があるのも懸念点のひとつです。
井戸ポンプが圧力スイッチ仕様の場合、エコキュートを導入することで水圧が弱くなったり流量が少なくなるリスクがあります。この懸念点を払拭するためには、数万〜十数万円払って、インバータータイプの井戸ポンプの取り付けをしなくてはなりません。
この辺りも、最終的に黒字転換できるのかしっかり見極める必要があります。
井戸水対応のエコキュートは選び方に要注意!お気軽にご相談ください!
今回の記事では、井戸水対応のエコキュートについて見てきました。
昨今では井戸水対応のエコキュートが多く販売されるようになりましたが、最終的に黒字転換できるのかについてはエコキュート導入時にしっかり見極める必要があります。
具体的な試算を出したい場合は、お気軽に弊社『リノベステーション』にお問い合わせください!販売価格情報や口コミ、おすすめランキングなど、独自の視点から商品をチェックしていきます。
この記事の監修者

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