エコキュートの修理・交換は火災保険でできる?保障対象・対象外のケースを徹底解説!

「現在加入している火災保険は、エコキュートの修理・交換費用もカバーできるのかな?」といった疑問を感じた経験はありませんか?
結論から言えば、エコキュートは建物の一部として扱われるため、「電気的・機械的事故特約」などに加入していれば、規定の補償金が受け取れます。
本記事では、エコキュートの修理や交換を火災保険でカバーできる「5つのケース」と、カバーできない「5つの例外的なケース」を徹底解説していきます。
記事を読むことで「火災保険のカバー範囲の広さ」や「契約内容の確認の重要性」などが理解できますので、興味のある方はぜひ目を通してみてくださいね!
目次
エコキュートの修理・故障を火災保険でカバーできる「5つのケース」
なんらかの理由でエコキュートが故障・損傷してしまった場合、以下の「5つのケース」に当てはまるなら、住宅の火災保険でカバーできる可能性があります。
- 火災が原因で故障した場合
- 台風や大雨・落雷で故障した場合
- 落雪や積雪・雹(ひょう)により故障した場合
- 車やボールなど、物体の衝突で故障した場合
- エコキュートが盗難にあった場合
それぞれのくわしい条件や注意点を確認していきましょう。
ケース①:火災が原因で故障した場合
一般的な火災保険は「あらゆる火災」を保証対象としているケースが多いため、建物の火災によりエコキュートが故障した場合、保障の対象となります。
たとえば、エコキュートが「漏電」したことが原因で住宅の火災に至った場合、あらかじめ規定された範囲で保証金が受け取れます。
また、いわゆる「もらい火」など、隣家や周辺の火災が原因でエコキュートが故障した場合も、火災保険の保障対象となる事例が多いです。
一方で、「子どもの火遊びが原因の火災」など、故意で引き起こされた火災とみなされた場合、保険会社によっては保証対象とならない可能性があります。
ケース②:台風や大雨・落雷で故障した場合
台風や大雨・落雷などの自然災害や異常気象が原因でエコキュートが故障・損傷した場合も、火災保険の保証対象となるケースが大半です。
火災保険によっては、台風や大雨による被害で保障を受けるには「風災特約」「水災特約」などの特約(オプション)への加入が必要な場合もあります。
一方で、落雷によるエコキュートの故障・損傷は火災保険の基本保障に含まれているケースが多いため、その場合は追加で特約に加入する必要はありません。
大雨や洪水による家財の損害をカバーする水災特約は、「床上浸水が発生していること」など適用条件がありますので、あらためて契約内容を確認しておくと安心です。
ケース③:落雪や積雪・雹(ひょう)により故障した場合
落雪や積雪の重みや、雹(ひょう)の衝撃によりエコキュートが故障・損傷した場合も、火災保険の保証範囲内で補償金を受け取れます。
台風や大雨などと同じく、雪や雹による損害で保証を受けるには、「雪災特約」「雹災特約」などの特約に加入しなければ保障が受けられない場合もあります。
一方で、雪災・雹災による被害も「風災特約」の補償範囲に含まれる火災保険もあるため、その場合は追加で特約に加入する必要はありません。
雪や雹による直接的な被害だけでなく、「積雪で倒れたカーポートがエコキュートにぶつかった」など、間接的な被害でも保証対象となるケースも存在します。
ケース④:車やボールなど、物体の衝突で故障した場合
「自動車やバイクがぶつかった」「子どもが野球ボールを誤ってぶつけた」など、物体の衝突によりエコキュートが故障・損傷した場合も、火災保険の保証対象となります。
契約している火災保険によっては、「物損特約」「汚損特約」といったオプションへの加入が必要な場合もあるため、契約内容を再確認しておきましょう。
例外として、「子どもがわざとボールをぶつけた」など、故意による故障と判断された場合は、火災保険の保障対象として認められない可能性があります。
また、突風や強風・竜巻などで運ばれた「飛来物」の衝突でエコキュートが故障した場合は、物損特約に加入していなくても風災特約で保証される事例も存在します。
ケース⑤:エコキュートが盗難にあった場合
ヒートポンプユニットや貯湯タンクが盗難により失われた場合も、火災保険の保証対象として補償金を受け取れる場合があります。
「エコキュートって盗まれるの?」と驚く方も多いでしょうが、設備に含まれる銅やアルミ、ヒートポンプユニットの「冷媒」は価値が高く、近年盗難被害が増えています。
重量のある貯湯タンクに比べ、エアコン室外機ほどのサイズのヒートポンプユニットは運搬しやすいため、盗まれる可能性はゼロではありません。
風災や雪災などと同じく、盗難による被害で保障をうけるには「盗難特約」への加入が必要なケースもありますので、念のため入っておくと安心です。
エコキュートの修理・故障を火災保険でカバーできない「5つのケース」
以下の「5つのケース」に当てはまる場合は、住宅の火災保険に入っていても、エコキュートの被害に対して保障が受けられない可能性があります。
- 経年劣化によって故障した場合
- 故障の原因が「故意」である場合
- 地震や津波など、特定の災害で故障した場合
- 修理費用が保険の「免責金額」より低い場合
- 故障の原因が「保険の保障対象」に含まれない場合
それぞれの詳細や具体例をわかりやすく解説していきます。
ケース①:経年劣化によって故障した場合
「経年劣化」とは、エコキュートを長期間使い続けることで、消耗部品が摩耗したり、配線や配管などが劣化し、本来の性能が発揮できなくなる状態を指す言葉です。
一般的な火災保険の補償対象となるのは、火災や落雷といった「突発的な事故」であり、経年劣化によるエコキュートの故障や不具合は基本的に対象となりません。
エコキュートの製品寿命は「10〜15年」ほどといわれており、10年を過ぎると消耗部品の交換や、不具合の修理などでお金がかかる機会が増えてゆきます。
その際に火災保険は頼りにできないため、ある程度の維持費を準備しておくとともに、「新品への交換」も検討しておくとよいでしょう。
ケース②:故障の原因が「故意」である場合
保険会社が「今回の故障は故意によるものである」と判断した場合、火災保険の保障対象であっても、補償金が支払われない場合があります。
たとえば、取扱説明書に書かれていない使い方による故障や、DIYでの改造による故障、非推奨の入浴剤による故障などは、故意による損害とみなされる可能性があります。
また、子どものいたずらによる損傷や、「保障のためにわざと壊した」と保険会社に判断された場合も補償対象から外されてしまうかもしれません。
被害状況を分析するために「写真の提出」を求められるケースもありますので、不利にならないよう、トラブル発生時の写真を保管しておくことをおすすめします。
ケース③:地震や津波など、特定の災害で故障した場合
地震や津波によるエコキュートの故障や、火山の噴火など「特定の自然災害」による火災の被害に対しては、火災保険の保障対象とならない可能性があります。
原則として、地震・津波・噴火によるエコキュートの被害で保障を受けるには、火災保険ではなく「地震保険」という別の保険への加入が必要となります。
火災保険によっては「地震上乗せ特約」「地震火災特約」といった地震に対する特約もありますが、建物の主要構造物ではないエコキュートは保障対象外となるケースが大半です。
また、地震保険は被害状況を「全損・半損・一部損」などと判定し、割合に応じた補償金を支払う仕組みのため、エコキュートの故障だけでは保障されない可能性もあります。
ケース④:修理費用が保険の「免責金額」より低い場合
「免責金額」とは、損害保険の対象となる事故が起きた際に、「契約者が負担する金額」のことで、金額の大きさは火災保険の契約時に任意で設定できます。
免責金額を大きくするほど「保険料が安くなる」というメリットがありますが、免責金額より被害総額が小さい場合、「補償金が支払われない」点が大きなデメリットです。
たとえば、火災によるエコキュートの被害額が15万円の状況で、免責金額を20万円に設定していた場合、補償金の支払いはまったくありません。
免責金額をどの程度に設定するかは生活スタイルによりますが、エコキュートの修理費用は「10万円以下」のケースも多く、保障されない可能性があることも覚えておきましょう。
ケース⑤:故障の原因が「保険の保障対象」に含まれない場合
エコキュートの故障や損傷の原因が、契約した火災保険や特約の「補償対象となる範囲」に含まれていない場合、基本的に補償金の支払いは発生しません。
たとえば、台風や突風が原因でエコキュートが故障した場合、「風災特約」に加入していないと火災保険の補償対象とは認められません。
また、「水災特約」は「地面から45cm以上の浸水であること」など、保障となる被害の状況に細かい条件が設けられている場合もあります。
火災保険の補償範囲や特約は契約後でも見直せますので、今一度契約内容をしっかり確認し、必要なオプションへの加入を検討しておくと安心です。
まとめ:エコキュートの修理・交換は火災保険で対応可能!補償はしっかり確認しよう
本記事でくわしく解説してきた「エコキュートの修理・交換を火災保険でカバーできる・できないケース」についてのポイントを、以下にもう一度まとめていきます。
- エコキュートは建物の一部とみなされるため、「電気的・機械的事故特約」に加入していれば、火災保険の補償対象となる
- 火災による被害だけでなく、台風や落雷・積雪や雹(ひょう)による損害も、「特約」に加入していれば保障される
- 「子どもがボールをぶつけた」「盗まれた」などの被害も補償対象となるが、故意とみなされた場合は補償金が支払われない
- 地震や津波・火山の噴火による被害は「地震保険」でカバーされるケースが多く、火災保険では保障されない
- 被害発生時に自己負担する「免責金額」を高く設定しすぎると、軽度の故障の場合に補償金が支払われない可能性がある
火災だけでなく、台風や落雷などの自然災害、盗難や衝突事故など、さまざまなエコキュートの被害をカバーしてくれる火災保険。
一方で、保障される状況や範囲を広げるには、それぞれの被害に対応した「特約」に加入する必要があり、そのぶん保険料が上乗せになる点に要注意です。
エコキュートの修理費用は「1〜20万円」ほどが相場ですので、保険料があまりに高額になるようなら、思い切って特約を解除し、実費で修理するのもひとつの手といえます。
「自分にぴったりの保険プランがわからない…」とお困りの方は、保険会社のコールセンターなどで気軽に相談できますので、ぜひこの機会に保険を見直してみてくださいね!
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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