メモリー効果って何?リチウムイオン電池にもある?概要や解決法を解説
「最近買ったばかりの充電池なのに、最近すぐバッテリーが切れるようになった…」
こういった経験をお持ちでしたら、「メモリー効果」の影響かもしれません。
メモリー効果はバッテリー持ちに影響するトラブルの一種であり、そのまま使用していても直らないやっかいな性質を持っています。
そこで本記事では、メモリー効果の概要や発生するタイミング、解決する方法について詳しく解説していきます。
本記事の最後には「スマホのリチウムイオン電池を長持ちさせるコツ」もご紹介していますので、スマホのバッテリーの持ちにお困りの方もぜひご覧ください!
目次
メモリー効果とは?概要や発生例・注意したい電池の種類を解説
まずはじめに、メモリー効果の概要や発生するタイミング、発生メカニズムや注意すべき電池の種類について解説していきます。
メモリー効果とは?初心者にも分かりやすく説明
メモリー効果とは、充電池が特定の電池残量で「バッテリーがあるのに電圧が低下してしまう」現象のことです。
特定の電池残量とは、何度も繰り返し継ぎ足し充電をしている残量ポイントのことで、この残量を記憶してしまうことから「メモリー」効果と呼ばれています。
例えば、残量60%の状態から毎日継ぎ足し充電した場合、フル充電から60%まで使った際に一気に電圧が低下してしまいます。
メモリー効果の影響で電圧が低下すると機器が停止するため「バッテリーが切れた」と誤解しがちですが、実際のバッテリー性能は低下していません。
メモリー効果の発生メカニズムは実は分かっていない?
「なぜ充電池にはメモリー効果が起こるのか?」
この疑問に対する研究は現在も続けられていますが、明確な結論はいまだに出ていない状況です。
研究結果の一部をご紹介すると、
- 充電サイクル中に発生する「高次Ni活物質」がメモリー効果を引き起こすのでは?
- 継ぎ足し充電を繰り返すことで蓄積されていく「未放電活物質」が原因なのでは?
といった説が挙げられていますが、どれも確かな説であると証明されていません。
【乾電池タイプは注意】メモリー効果が起こる電池の種類
メモリー効果は「ニカド電池」「ニッケル水素電池」といった「乾電池型」の充電池によく起こります。
懐中電灯や古いカメラなどに使われるニカド電池は特にメモリー効果が起こりやすいため、なるべくバッテリーを使い切ってから充電するべきと言えます。
パナソニックの「eneloop」などでおなじみのニッケル水素電池はニカド電池に比べてメモリー効果が少ないですが、何度も継ぎ足し充電を繰り返すことはおすすめできません。
最近のバッテリー充電器には「完全に放電させてから充電を開始する」機能が搭載されていることも多く、メモリー効果を気にせず充電できるようになりました。
メモリー効果が起きた場合の解決法や注意点は?
次に、お手持ちの充電池のメモリー効果を解決する方法や作業時の注意点を詳しくご紹介していきます。
【リフレッシュ】メモリー効果を解決する方法
メモリー効果が発生してしまった充電池を元の状態に戻すには、「リフレッシュ」と言われる作業が必要です。
リフレッシュとは、「充電池のバッテリーを最後まで使い切ってからフル充電する」ことであり、一度の作業でほとんどのメモリー効果は解消します。
直った充電池で再度継ぎ足し充電を繰り返せばまたメモリー効果は起こりますが、そのたびにリフレッシュすれば回復するので問題はありません。
「最近すぐにバッテリーが減るようになった」と感じたら、一度リフレッシュを試してみると、案外簡単に解決することも多いでしょう。
リフレッシュする際の注意点【逆効果の場合も】
リフレッシュでバッテリーを使い切る際には注意点が1つあり、正しく作業しないと充電池に深刻なダメージを与えてしまいます。
注意すべきポイントは「保護回路(放電を自動停止する機能)」が付いている機器で放電することです。
例えば、「豆電球」などの単純な機器には保護回路が無いため、充電池が「過放電状態」になってしまい、バッテリー性能が大幅に下がってしまう原因になります。
ほとんどの家電には保護回路が搭載されていますのでそこまで気にする必要はありませんが、リフレッシュに適さない機器もあることは頭に入れておきましょう。
リチウムイオン電池にメモリー効果はある?長持ちさせる方法も解説
最後に、現在主流となっているリチウムイオン電池にもメモリー効果は起こるのか解説します。
リチウムイオン電池をできるだけ長持ちさせる方法についても、詳しくご説明していきます。
リチウムイオン電池にメモリー効果は「ほとんどない」
結論から言えば、リチウムイオン電池にメモリー効果はほとんど発生しません。
そのため、毎日同じくらいの電池残量で継ぎ足し充電を繰り返しても問題ありません。
「スマホのバッテリーは使い切らないと性能が落ちる」という説は、実は高温・低温などの外部環境が影響しているケースがほとんどです。
乾電池型の充電池以外はほとんどリチウム電池が使われているため、普段の生活でメモリー効果を気にする必要は無いと言えます。
【スマホ・蓄電池】リチウムイオン電池はどんな機器に使われる?
リチウムイオン電池が使われている機器の一例を以下にご紹介していきます。
- スマホ・タブレット・ノートPCなどのデバイス機器
- 家庭用蓄電池・モバイルバッテリーなどの充電機器
- 電気自動車やプラグインハイブリッドカーの充電機器
- コードレス掃除機、電気シェーバーなどの家電機器
- 電動ドライバーや電動草刈機などの大型工具・農具
ほかにも、ゲーム機器や電動アシスト自転車など、数えればキリが無いほど多くの機器にリチウムイオン電池が使われています。
リチウムイオン電池は、今や私達の生活に欠かせない必需品と言っても過言ではありません。
スマホのリチウムイオン電池を長持ちさせる方法【高温注意】
特に使用機会が多い、スマホのリチウムイオン電池をできるだけ長持ちさせる方法を以下にまとめました。
過充電・過放電を避ける | ・使用機器に制御機能が搭載されており、過充電・過放電を気にせず使用してかまいません。 |
高温・低温を避ける | ・外気温が0℃を下回るとバッテリー性能が低下します。 ・寒い日にはポケット内や防寒ケースで保温するなど対策しましょう。 ・バッテリー自体の温度が40℃を超える場合も好ましくありません。 ・充電中は日陰に置く、長時間使い続けないなど温度管理が大切です。 |
長期保管する際は? | ・充電容量30〜50%の状態で、涼しい場所で保管するのがベストです。 ・満充電、残量0%での長期保管はバッテリーを痛める恐れがあります。 |
【まとめ】メモリー効果があるのはニッケル系だけ!安心して使おう
本記事で解説した内容を、もう一度簡単におさらいしていきましょう。
- メモリー効果は、充電池の残量がある状態で行う「継ぎ足し充電」が原因で発生する
- 充電を開始した残量を記憶(メモリー)し、バッテリー切れのように電圧が下がってしまう
- メモリー効果は、一度充電池の残量を使い切り、フル充電すれば直せる(リフレッシュ)
- メモリー効果は「ニカド電池」「ニッケル水素電池」によく起こり、リチウムイオン電池にはほぼ起こらない
- リチウムイオン電池を長持ちさせるには、過度な高温や低温を避けることが大切
リチウムイオン電池にはメモリー効果がほぼ無いため、「自分のスマホ、メモリー効果かも?」と心配していた方も安心して継ぎ足し充電できることが分かりましたね。
ニッケル水素電池などの「乾電池型」の充電池を使うときにはなるべく使い切ってから充電し、メモリー効果を避けて快適なバッテリーライフをお楽しみください!
リノベステーションではニチコンやシャープを始めとした蓄電池を取り扱っております。
もちろん、太陽光発電機器との同時購入も可能です!
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この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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