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海から近くても蓄電池は設置できる?塩害対応のおすすめ蓄電池についてまとめます!

2024年01月04日更新

周囲を海に囲まれた日本で無視できないことの一つが「塩害」です。

海水に含まれる塩分は農業だけではなく、自動車をはじめとする機械製品に悪影響を与えます。

屋外に設置することが多い蓄電池も例外ではありません。

今回は塩害の内容や塩害地域で蓄電池を利用するリスク、塩害地域で蓄電池を利用する方法、塩害対応のおすすめ蓄電池などについてまとめます。

塩害とは

塩害とは、農作物や建築物が塩によって枯死・劣化する被害のことです。

塩害の定義や塩害地域の区分、塩害地域で蓄電池を利用するとどのようなリスクがあるのかをまとめます。

塩害とは何か

塩害は塩が原因で農作物や建築物が枯死・劣化する被害のことです。

塩害の原因は複数ありますが、蓄電池に悪影響を及ぼす塩害は塩分を含んだ潮風が吹き付けることによって発生します。

つまり、海岸に近い地域ほど塩害の発生確率が上がると考えてよいでしょう。

日本国内で塩害が発生しやすい場所は、沖縄県を含む離島や季節風の影響を受けやすい日本海側や太平洋側の地域、台風の進路にあたる地域などです。

塩害発生地域の区分

塩害発生地域は塩害地域重塩害地域に分けられます。

それぞれの区分について確認します。

重塩害地域

重塩害地域に指定されているのは海岸からおおむね500m以内の場所です。

海岸から非常に近い地域で、潮風によるダメージが強いため限られた蓄電池や特殊加工を施した太陽光発電パネルしか対応していません。

重塩害地域のうち、直接波しぶきがかかるような場所を岩礁隣接地域といいますが、こうした地域では腐食が進みやすく劣化しやすいので要注意です。

岩礁隣接地域は保証対象外としているメーカーもあるので設置前に調べるのがおすすめです。

塩害地域

重塩害地域の外側が塩害地域となります。塩害地域の幅は気候条件によって異なります。

最も幅が狭いのは瀬戸内海地域で500mから1kmの範囲、最も幅が広いのは沖縄県や離島で500mから7kmです。

蓄電池や太陽光発電パネルを設置する前に、設置場所が海岸からどのくらい離れているか、確認しておきましょう。

塩害地域で蓄電池を利用するリスク

塩害地域で蓄電池を利用するとどのようなリスクがあるのでしょうか。

性能面・保証面のリスクについてまとめます。

蓄電池が故障しやすくなる

蓄電池を含む機械類は塩害に弱いという特徴があります

塩分を含む風や雨が蓄電池の内部に侵入すると、腐食や錆が発生します。

表面が劣化すると、その部分からさらに塩分が侵入し腐食・錆が拡大、最終的には機能しなくなってしまいます。

保証してもらえない可能性がある

塩害対応を明記していない蓄電池を塩害地域で使用した場合、保証してもらえない可能性があります。

塩害地域で蓄電池を設置する場合は、塩害に対する保証の有無について事前に調べておかなければなりません。

基本的な塩害対策

塩害対策の基本は、塩分を遮断する、耐腐食加工を施すことの2点です。

それぞれの内容について整理します。

塩分を遮断する

1つ目の対策は塩分を遮断することです。

最もよい方法は機械類を塩分から遠ざけることです。

塩分に直接さらされない室内であれば塩害の発生を抑制できます。

ただし、塩分を含む外気が室内に侵入すると腐食の原因となるため、定期的にメンテナンスが必要です。

耐腐食加工を施す

2つ目の対策は耐腐食加工を施すことです。

機械の表面に錆を防ぐ処理を施したり、塩分が内部に侵入しないようフィルターで遮蔽したりして腐食を防ぎます。

耐塩性能が高い素材を用いることも選択肢の一つに入ります。

塩害地域で蓄電池を利用する方法

塩害地域で蓄電池を利用するにはどうすればよいのでしょうか。

利用方法を2つ取り上げます。

室内に蓄電池を設置する

1つ目の方法は蓄電池を室内に設置することです。

塩分を含んだ外気に露出することで腐食が進みますので、潮風が直接当たらない室内に設置し、塩分が蓄電池に付着することを防ぎます。

しかし、蓄電池を室内設置にすると場所をとってしまうことや一定の駆動音が発生してしまうこともありますので、設置前に検討しておく必要があります。

塩害対応の蓄電池を使用する

2つ目の方法は塩害対応の蓄電池を使用することです。

いかに室内に設置したとしても塩分を含んだ外気を完全に遮断するのは困難です。

塩害による蓄電池の劣化を防ぐには、塩害対応の蓄電池を使用するのが最も効果的です。

塩害対応のおすすめ蓄電池

塩害対応でおすすめなのがニチコンとスマートソーラーの蓄電池です。

それぞれの特徴についてまとめます。

ニチコン ESS-U3S1J 「重塩害地域」対応

ニチコンのESS-U3S1J 「重塩害地域」対応は屋外設置タイプの蓄電池です。

この蓄電池は海岸近くの場所や沖縄県・離島地域など、重塩害地域に含まれる場所でも設置可能です。

ただし、波しぶきが直接当たる場所に設置できませんので留意しておきましょう。

特徴は超小型で軽量であること。配管パネル込みで高さ65cm、幅80cm、奥行30cmのコンパクトサイズです。

重量は77kgと蓄電池としては軽量といえます。

蓄電池の容量は4.1kWhです。競合他社製品と比較しても決して少なすぎる容量ではありません。

また、小型である分、価格がリーズナブルで導入しやすいというメリットがあります。

10年間の保証もついているので、安心して利用できます。

スマートソーラー SBT3-12B/SBT3-12C

スマートソーラーのスマート蓄電Tは大容量の蓄電池です。

容量は11.5kWhで4人家族の1日の使用電気量の約10kWhを十分賄えます。

塩害に強く錆びにくいアルミニウムを使い、表面にも耐塩塗装を施すため塩害地域でも使用可能です。

重塩害地域で使用する場合はオプションの重塩害用カバーを使用します。

これにより、海岸から100m〜300mの場所でも設置可能となりました。

10年間の製品保証が付きますが、海岸から100m以内の設置については保証の対象外となりますので注意しましょう。

まとめ

今回は塩害についてまとめました。

周囲を海に囲まれた日本では蓄電池を劣化させる塩害の対策が非常に重要です。

塩害が発生する場所は、往々にして日照時間が長く太陽光発電に適した地域でもあり、蓄電池と併用して電気の利用効率を高めたい場所でもあります。

今後、卒FITにより蓄電池の需要が高まると予想されますが、設置する前に購入予定の蓄電池が塩害に対応しているかどうか、しっかりと確認しておきましょう。

また、設置する場所によっては保証の対象外となりますので、設置業者と十分相談して保証対象となるように設置しましょう。

リノベステーションでは多くのメーカーの蓄電池や太陽光発電を取り扱っております。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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中田 萌
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