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蓄電池は元が取れない!?容量別に実際に計算!

2024年01月04日更新

蓄電池は、太陽光発電システムと併用したり、安い電気を充電することで、電気代を節約することができます。

しかし、一方で蓄電池は導入費用が高いので、結局損をしてしまうという話も聞きます。

そこで今回は、蓄電池の元をとる方法や、何年で蓄電池の元が取れるかを実際に計算します。

【要注意】蓄電池の元が取れないケースは?

蓄電池の元を取りたい場合、安い電気を蓄電池に貯めて活用する必要があります。

太陽光発電システムを導入している場合には、太陽光発電システムで発電した電気を蓄電池に貯めることも可能です。

2023年の太陽光発電システムの売電価格は、電気料金よりも安くなっています

売電価格が安いので、太陽光発電システムの売電収入だけで設備の元をとることが難しいのが現状です。

ケース① 太陽光発電と併用しない

太陽光発電システムと併用せず、蓄電池単体で運用する場合、蓄電池の元をとるのが難しくなる可能性があります。

蓄電池を単体で運用する場合は、太陽光発電システムと併用するケースに比べて節約効果がグッと下がってしまいます。

なるべく蓄電池の元を取りたい場合には、太陽光発電システムと併用することが一番の近道です。

ケース② 電気料金が割安な時間がない

電気料金が段階的なプランだと、蓄電池を導入しても光熱費を削減することができません。

蓄電池の元を取りたい場合、「安い電気」か「発電した電気」を蓄電池に溜めて使用する必要があります。

電気料金が安い時間帯がない場合には、電気料金プランの変更か、太陽光発電システムの導入を検討しましょう。

ケース③ 蓄電池の価格が高額すぎる

太陽光発電システムを併用していたり、電気の安い時間帯があるプランを契約したりしていても、蓄電池本体が高額だと元を取りにくくなってしまいます。

蓄電池は、蓄電容量が多いほど導入費用が高くなってしまいます。

蓄電池を選ぶ際には、蓄電容量が大きすぎず小さすぎない製品を選ぶことがおすすめです。

【太陽光発電導入別】蓄電池の元は取れるのか?

蓄電池は、蓄電容量によって導入費用が変動します。

そこで、今回は蓄電容量別に蓄電池の元を取るには何年かかるのかを計算します。

それぞれ、太陽光発電システムを導入しているケースと、していないケースを計算してみましょう。

 

条件

  • 蓄電池の導入費用は1kWあたり13.9万円(本体費用11.7万円+工事費用2.2万円)
  • 電気料金は東京電力「夜トク12プラン」(昼間44.36円・夜間33.53円)
  • 電気使用量は年間 4,175 kWh(月間約347kWh)
  • 太陽光発電システムの容量は4kW(年間発電量4,000kWh)
  • 蓄電池の容量は5kW
  • 売電価格は東京電力の「再エネ買取標準プラン」で1kWhあたり8.5円

 

太陽光発電を導入していないケース

太陽光発電システムも蓄電池も導入していない場合には、月々の電気料金はおおよそ13,513円になります。

 

1ヶ月の電気使用量が347kWhの場合、昼夜それぞれの電気使用量は・・

​​347kWh÷2=約173.5kWh

 

昼間の電気料金は、月間173.5kWh×44.36円=7,696.46円

夜間の電気料金は、月間173.5kWh×33.53円=5,817.455円

 

7,696.46円+5,817.455円=13513.915円

 

月間の電気料金は、おおよそ13,513円になります。

 

※昼夜の電気使用量は一定と仮定して計算しています。

※基本料金・再エネ賦課などは電気料金のうちに入れていません。

太陽光発電を単体で導入しているケース

太陽光発電システムを単体で運用している場合の月々の電気料金は、おおよそ7,186円です。

計算式は以下の通りです。

 

夜間の電気料金は・・

夜間:173.5kWh×33.53円=5,817.455円

 

太陽光発電システムの発電量は・・

4000kWh÷12ヶ月=1ヶ月あたり333kWh

 

1ヶ月の消費電力は・・

333kWh×0.3=99.9kWh

1ヶ月の売電量は・・

333kWh×0.7=223.1kWh

 

昼間の電気使用量から太陽光発電分を引くと・・

173.5kWh-99.9kWh=73.6kWh

73.6kWh×44.36円=3,264.896円

 

1ヶ月で223.1kWhを売電することができるので、売電価格は・・

223.1kWh×8.5円=1,896.35円

 

昼夜の電気料金から売電収入を差し引くと、1ヶ月の電気料金は・・

5817.455円+3264.896円=9,082.351円

9082.351円-1896.35円=7,186.001円

 

月間の電気料金:おおよそ7,186円

※太陽光発電の電気は、30%が自家消費、70%が売電として計算しています。

※基本料金・再エネ賦課などは電気料金のうちに入れていません。

太陽光発電+蓄電池を導入しているケース

太陽光発電システムと蓄電池を導入し、自家消費が70%、売電が30%で設備を運用している場合で計算してみます。

 

4000kW÷12ヶ月=おおよそ333kWh

 

1ヶ月で自家消費できる電気は・・

333kWh×0.7=233.1kWh

 

1ヶ月で売電できる電気は・・

333kWh×0.3=99.9

 

1ヶ月で買う電気の量は

347kWh−233.1kWh=113.9kWh

昼夜それぞれの電気料金に換算すると・・

2,526円+1,909円=4,435円です。

 

さらに、1ヶ月あたり99.9kWhを売電することができるので、

99.9 kWh×8.5円=おおよそ849円の売電収入を得ることができます。

 

1ヶ月の電気代から売電収入を引くと、4435円−849円=3,586円

ケース別にどれだけ月々の電気料金が変わるのか

計算が終わったところで、それぞれの月々の電気料金を比較してみましょう。

太陽光発電システムと蓄電池を導入していないケースに比較すると、太陽光発電システム単体で導入している場合は、6,327円も電気代が安くなります。

さらに、太陽光発電システムと蓄電池を導入しているケースでは、月々9,927円も電気料金が安くなります。

太陽光発電システムのみの場合は、年間で75,924円太陽光発電システム+蓄電池を導入すれば年間で119,124円の電気料金を節約することができます。

 

蓄電池の元を取るためのポイントは?

蓄電池の元をとるためには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

  • 蓄電池の導入費用
  • 太陽光発電
  • ダブル発電

 

それぞれ詳しく解説します。

ポイント① 蓄電池の導入費用を抑える

蓄電池の導入費用を抑えることができれば、早く蓄電池の元を取ることができます。

ただし、安ければいいわけではない点には注意が必要です。

電気使用量や太陽光発電の容量にあった蓄電容量や、使用方法に合ったコストパフォーマンスのいい蓄電池を選ぶことを意識してみましょう。

ポイント② 太陽光発電と併用する

太陽光発電システムの無料の電気を活用することで、早く蓄電池の元を取ることができます。

特に、近年は売電価格よりも買う電気の方が高くなっています。

電気料金が高い今は、なるべく自家消費をすることで、蓄電池の費用回収を早めることが可能です。

ポイント③ ダブル発電を検討

ダブル発電をして売電量を増やし、早く蓄電池の元をとる方法もあります。

ただし、ダブル発電は対応する蓄電池でしか行うことができません

蓄電池と太陽光発電システムを同時に導入する場合など、売電量を増やしたい場合にはダブル発電対応の蓄電池の導入を検討してみましょう。

ダブル発電とは?

ダブル発電とは、蓄電池やエネファームなどを利用して売電量を増やす運用方法です。

蓄電池でダブル発電を行う場合、太陽光発電システムで発電を行っている時に、蓄電池内の電気を使用することで、売電量を増やします。

しかし、売電価格が電気料金よりも安い近年では、発電した電気を自家消費した方がお得なケースが多いです。

ダブル発電を行う場合には、事前にシミュレーションをし、慎重に行うことが大切です。

蓄電池の元をとるためには初期費用を抑えることが大切

蓄電池の元をとるためには、蓄電池の導入費用を抑える必要があります。

蓄電池の導入費用を抑えるためには、以下の3つのポイントを抑えておきましょう。

  • 補助金の利用
  • 適切に販売業者を選ぶ
  • 適切な蓄電容量を選択する

それぞれ詳しく解説します。

方法① 補助金を利用する

2023年現在、蓄電池に対する補助金は国や都道府県、市町村から受け取ることができます。

蓄電池を導入する場合には、それぞれの補助金の有無を確認しておきましょう。

補助金によっては、蓄電池と同時に導入することにより、太陽光発電システムやV2Hなどの導入で補助金を受け取れるケースがあります。

方法② 販売価格が安い販売業者を選ぶ

蓄電池を導入する場合には、販売価格が安い会社を選ぶことが大切です。

しかし、安く蓄電池を導入したいからといって、一括見積もりサイトなどを利用することはおすすめできません。

一括見積もりサイトは、全ての会社から見積もりを取れるわけではありません。

実際には、販売価格が高い会社同士で見積もりを行っているケースがあるので注意が必要です。

方法③ 適切な蓄電容量を選択する

蓄電池は、蓄電容量が少ないと思うような節電効果を得ることができません。

対して、蓄電容量が大きすぎる場合は、導入費用が高くなるばかりで、蓄電容量が無駄になってしまいます。

適切な蓄電容量を選ぶことで、蓄電池による効果を最大限に引き出すことができ、導入費用も抑えることができます。

【蓄電池の元を取るため】最適な蓄電池の選び方は?

最後に、蓄電池の最適な選び方を解説します。

蓄電池の元をとるための選び方のポイントは以下の3つです。

  • 最適な容量
  • ハイブリッド、単機能
  • 保証制度

それぞれ詳しく解説します。

選び方① 適切な容量を選ぶ

蓄電池を選ぶ際には、適切な蓄電容量を選びましょう。

太陽光発電システムを併用する場合には、太陽光発電システムの容量に合わせた蓄電容量を選ぶことがおすすめです。

太陽光発電システムと併用しない場合には、昼間の電気使用量を確認し、蓄電容量に少し余裕がある蓄電池を選ぶことが大切です。

電気使用量は、電気料金の明細表やホームページなどで確認することができます。

選び方② ハイブリッド・単機能

蓄電池と太陽光発電システムを併用する場合には、ハイブリッド型の蓄電池を導入しましょう。

ハイブリッド型の蓄電池を導入することで、太陽光発電システムで発電した電気の変換ロスを少なくすることができます。

変換ロスが少なくなることで、発電した電気を無駄なく使用することが可能です。

対して、単機能蓄電池は太陽光発電システムと併用しない家庭におすすめです。

単機能蓄電池は、ハイブリッド蓄電池に比べて導入費用を抑えることができます。

ただし、10年以内に太陽光発電システムを導入する予定がある場合には、ハイブリッド型の蓄電池を導入しておきましょう。

選び方③ 保証制度の確認

蓄電池の元を取りたい場合には、保証制度が充実している蓄電池を導入することがおすすめです。

蓄電池は、故障してしまったり、破損してしまったりすると、光熱費の節約効果を得ることができません。

さらに、トラブルが起きると修理費用が必要になります。

なるべく早く蓄電池の元をとるためには、長期保証が付帯している蓄電池を導入することで、メンテナンス費用を抑えることが可能です。

蓄電池の元を取りたいなら事前にチェックポイントを確認!

今回は、蓄電池の元をとる方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

蓄電池の元をとるためには、蓄電池の運用方法や選び方に気をつける必要があります。

また、太陽光発電システムと併用すれば、蓄電池の元が取りやすくなります。

蓄電池を利用して光熱費削減を行いたいのであれば、蓄電池と太陽光発電システムの併用を検討してみましょう。

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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