【2021年】太陽光発電の売電価格は?2020年からの推移や今後の予測
太陽光発電は、自然エネルギーを活用して電力を生成する方法として注目を集めています。現代では多くの電力を賄っている火力発電をはじめ、そのほか多くの発電方法と比較すると、最大の違いは発電する際に一切の排出物を出さない点が挙げられるでしょう。
今回は、2021年度の太陽光発電の売買価格についてや、2020年からの推移、今後の予測について詳しく解説します。
目次
2021年度の太陽光発電売電価格は?
売電価格は、固定価格等算定委員会という経済産業省のなかにある部署によって決定されます。
これまで、太陽光発電の売電価格に大きく影響を与えてきたのが、FIT制度です。FIT制度とは、再生可能エネルギーの買取価格を定めた制度で、2009年より始まりました。
FIT制度は、10年目に買取価格を24円(円/kWh)にして終了することを前提としているため、2019年までは売電価格の予測は比較的容易でした。
売電価格は、太陽光発電の設備にかかる費用の平均値や環境省、国交相といった省庁からの意見によって考慮されています。
経済産業省発表、FIT制度における2021年度の太陽光発電売電価格は下記のとおりです。
住宅用太陽光発電(10kW未満) | 19円/kwh |
事業用太陽光発電(10~50kw未満) | 12円/kwh(税抜き) |
事業用太陽光(50~250kw未満) | 11円/kwh(税抜き) |
250kw以上の事業用太陽光の買取価格に関しては、年4回の入札で決まります。それぞれの上限価格は11.00円、第9回10.75円、10.50円、10.25円です。
2020年度の売電価格からの推移
2021年度の太陽光発電の売買価格を、2020年度の売買価格と比較してみましょう。
2020年3月に経済産業省から発表された、2020年度の太陽光発電の売買価格は下記のとおりです。
2021年度の住宅用太陽光発電の売買価格は、前年から2円減額されていることがわかります。
住宅用太陽光発電(10kW未満) | 21円/kwh |
事業用太陽光発電(10~50kw未満) | 13円/kwh(税抜き) |
事業用太陽光(50~250kw未満) | 12円/kwh(税抜き) |
以下の表は、2020年度以前の10kWh未満の住宅用太陽光発電における年度別の売電価格の推移です。
契約年 | 売電価格 | 設備の設置費用の目安(kWあたり) |
2020年度 | 21円 | 25万〜30万円程度 |
2019年度 | 26円 | |
2018年度 | 28円 | |
2017年度 | 30円 | |
2016年度 | 33円 | 40万円程度 |
2015年度 | 35円 | |
2014年度 | 37円 | |
2013年度 | 38円 | |
2012年度 | 42円 | 50万〜60万円 |
2011年度 | 42円 | |
2010年度 | 48円 | |
2009年度 | 48円 |
FIT制度が導入された2009年度から見ると、売電価格は毎年下がっていく傾向にあることがわかります。2020年度の段階では20円代で踏みとどまっていましたが、2021年にはついに10円代に突入してしまいました。
一方で、太陽光発電の設備に必要な費用の目安は、10年前と比較して半額ほどまでになっていることがわかります。
2020年度からFIT制度の内容が変更
従来のFIT制度は、ソーラーパネルの設置容量が10kwh以上の場合事業用太陽光発電に対して、発電量の全てを買い取る「全量買取制度」が適用されていました。
しかし、2020年度から、FIT制度が変更。2020年度からの新規参入に関しては、10kw未満同様、「余剰電力買取制度」が適用されることとなりました。
また、買い取ってもらうためには、発電電力の30%を自家消費に充てなければなりません。
もし自家消費が30%を下回る場合は、売買権利を剥奪される可能性もあります。
FIT制度そのものは継続しているものの、投資案件としての低圧太陽光発電に関しては、2019年以前とは全く異なるものに変わってしまったといってもよいでしょう。
なお、住宅用として設置されている10kWh未満の太陽光発電の場合、もともと全量買取は行っていなかったため、この制度変更による影響はほとんどありません。
これから太陽光発電を自宅に設置しようと考えている家庭に関しても、特に大きな問題はないでしょう。
2021年度も30%自家消費の条件は継続
経済産業省から公開された『2021年度以降の制度の方向性案と、それを踏まえた調達価格等についての委員長案』(2021年1月開催「第67回 調達価格等算定委員会」)によると、10〜50kWhの低圧太陽光発電について、30%以上の自家消費と自立運転機能付パワコンを取り付け、災害時に地域で使用できるようにするという条件(地域活用要件)を、2021年度も維持して様子を見ることとなっています。[注1]
[注1]経済産業省:2021年度以降の制度の方向性案と、それを踏まえた調達価格等についての委員長案「1.太陽光発電 」
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/067_01_00.pdf
2022年度以降の売電価格の予測
2021年度は、同年度の太陽光発電の売買価格と共に、2022年度の売買価格も発表も発表されました。
2022年度の太陽光発電の売買価格が下記のとおりです。
住宅用太陽光発電(10kW未満) | 17円/kwh |
事業用太陽光発電(10~50kw未満) | 11円/kwh(税抜き) |
事業用太陽光(50~250kw未満) | 10円/kwh(税抜き) |
前述したとおり、10kW未満の住宅用太陽光発電、10kW以上の事業用太陽光発電共に、売買価格は毎年2〜3円程度下落しています。
固定価格買取制度が導入された2012年から現在までの売買価格の推移は、10kW未満42円→19円、10kW以上40円→12円と、どちらも9年間で20円以上の減額となっています。
2021年現在、すでに太陽光発電の売買価格は、電力会社の買い取り価格を下回っていることが大半です。
また、国は今後、太陽光発電の売買価格をさらに引き下げる方針を明らかにしており、将来的(2025〜2027年度まで)には10~50kw未満売電価格を1kWhあたり11円に下げる意向を示しています。
太陽光発電は自家消費または家庭用蓄電池への充電がおすすめ
2021年度の太陽光発電の売買価格、2020年からの推移や今後の予測について解説してきました。
2021年度の売買価格は住宅用太陽光発電(10kw未満)で19円/1kWhです。
太陽光発電の売買価格は年々下落傾向にあり、2020年(10kw未満17円/1kWh)からは2円の減額となっています。
FIT制度の内容変更により、2022年以降、太陽光発電の売買価格はさらに引き下がることが予測されています。
今後の太陽光発電は、投資案件としてよりも、自家消費や災害対策やエコ節約として家庭用蓄電池に充電するほうが、経済的なメリットを得られるでしょう。
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この記事の監修者
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