蓄電池に馴染みのない方に特徴から選び方まで紹介します!
「蓄電池ってニュースで聞くようになってけれど、いったい何が良いのかわからない」
「蓄電池を調べても種類が多すぎて、どれを選べば良いかわからない」
このような悩みを抱えている方はいませんか。
最近では、再生可能エネルギーや環境問題が注目を集めていますが、それに伴って蓄電池も注目が集まっています。
蓄電池があると、上記の問題の解決につながるのみならず、節約や停電対策にもなります。
今回は、そんな蓄電池の特徴や選び方などをみていきましょう。
目次
蓄電池とは?【選び方を知る前に知りましょう!】
蓄電池とは二次電池である
そもそも蓄電池って一体どういったものなのでしょうか。
蓄電池を端的に説明すると、一回限りではなく、充電して何回でも使用できる電池のことです。
充電などもできる電池である蓄電池のことを二次電池と呼びます。
電池と聞くと、日常生活で家電などを使うときに用いる単三電池を思い浮かべる方が多いと思います。
単三電池の場合、充電しないで放電のみで使い切りです。
そして、それらの特徴を持ったものは一次電池と呼ばれています。
「普段目にするのは一次電池だから、蓄電池には馴染みがないのか」と考えている方もいると思いますが、実は様々なところで蓄電池は使われています。
身近なところで言うと、スマートフォンのバッテリーやEVカーなどです。
蓄電池の種類は大きく4つ
ここからは二次電池である蓄電池と蓄電設備の種類を見ていきましょう。
まず蓄電池の種類から紹介します。
蓄電池の種類は大きく以下の5つがあります。
- コストが比較的安価で高寿命な鉛蓄電池
- 過充電や過放電につよく、急速充放電ができるニッケル水素電池
- 寿命が比較的長いリチウムイオン電池
- 充放電のエネルギー効率が高く、長寿命であるNAS電池
- 20年のシステム耐久性で、常温運転が可能であるレドックスフロー電池
そして蓄電設備は大きく4つあります。
単機能型蓄電池
1つ目は、蓄電池と蓄電用パワコンで構成される最もオーソドックスな蓄電池である単機能型蓄電池です。
特徴は、独立電源単体でも使用出来ることです。
そして、メリットとしては太陽光発電の保証期間を気にしないで使用出来ること、デメリットとしては、変換ロスが生じることが挙げられます。
ハイブリッド型蓄電池
2つ目は、太陽光発電用と蓄電用、両方のパワコンが一体となった太陽光パワコンであるハイブリッド型蓄電池です。
特徴は、発電した直流電力をそのまま貯められることです。
そして、メリットとしては変換ロスの少なさ、デメリットとしては導入費用が割高になることが挙げられます。
トライブリッド型蓄電池
3つ目は、太陽光発電用と蓄電用、さらに電気自動車用のパワコンを一体にしたトライブリッド型蓄電池です。
特徴は、なんといっても3つのパワコンが一体化していることです。
そして、メリットとしてはこれから太陽光発電をつける方はEVも利用できて得であること、デメリットとしてはやや値段が高いことが挙げられます。
スタンドアローン型蓄電池
4つ目は、コンセントから電気を貯めるタイプのスタンドアローン型蓄電池です。
特徴は、容量が小さく、BCP対策などで使われることです。
そして、メリットとしては、コンパクトや低価格、設置工事不要などがあり、デメリットとしては太陽光発電と連携できないことが挙げられます。
蓄電池のメリットを紹介
ここからは蓄電池のメリットを紹介します。
最近注目される背景には多くの理由があるので、それぞれ見ていきましょう。
停電時にも安心
1つ目は、停電時にも安心して過ごせることです。
蓄電池は電気を貯めておき、必要な時に電気を供給することができる設備です。
そのため、万が一停電が起きたとしても、普段通りに電気を使用することができます。
これは最大のメリットと言えます。
特に高齢者の方や小さいお子さんと一緒に住まれている方にはお勧めです。
なぜなら、停電で全くものが見えなくなった時、転倒したり、下に転がっている物にぶつかって怪我をしたりする恐れがあるからです。
精神的にも不安になることも考えられます。
そのため、不安が大きくなる停電時にも安心して日常生活が送れる蓄電池は優秀と言えるでしょう。
電気代の節約
2つ目は、電気代の節約につながることです。
これは太陽光発電を導入している方にも、導入していない方にも言えることですが、少し節約方法が変わるので分けて紹介します。
まずは太陽光発電を導入している方です。
この場合、深夜の安い電力を電力会社から購入して蓄電池に充電しておいて、昼間に使用することをお勧めします。
それらを行った場合、太陽光で生み出した電力を全て売電することができるため、副収入が得られます。
そこで得た収入を別のところに回せるので、節約につながるでしょう。
次は太陽光発電を導入していない方です。
上にも記載しましたが、一般的に電気代は使用者の少ない夜間の方が料金が安く設定されています。
具体的には日中の料金が29〜35円/kWhなのに対して、深夜料金は10〜12円/kWhと言われています。
そのため、深夜の間に安い電気料金で電気を貯めておき、それらを昼間に使用すると節約につながります。
環境に配慮した生活
3つ目は、環境問題に配慮した生活を送れることです。
蓄電池があれば、夜に貯めておいた電気を、他の人の使用量が多い昼間に使用できます。
昼間の時間帯の電気使用量を減らすと、CO2排出量の多い火力発電所の発電電力を減らすことにつながり、それは環境問題対策にもつながります。
そのため、近年の環境問題に関心があるけれど何もできずに悩んでいる方、個人単位でも何かしたいと考えている方には蓄電池導入をお勧めします。
太陽光パネルのパワコン寿命を伸ばす
4つ目は、ハイブリッド蓄電池の場合、太陽光パネルのパワコン寿命を伸ばすことができることです。
パワコンについて馴染みがない方もいると思うので、最初に簡単に説明します。
パワコンとは、太陽光で作った電力を家庭で使用するために、電気を交換する機械を指します。
そして、パワコンは通常10〜15年が寿命および保証期間とされており、それを超えた場合は有償で修理や交換を行う必要があります。
しかし、ハイブリッド蓄電池を使った場合は異なります。
ハイブリッド型蓄電池を導入する場合、既存の太陽光パネルを新しいものに替えられて保証と寿命が伸びるだけでなく、売電量の増加も期待されます。
そのため、パワコンの調子が悪い方や太陽光発電の設置から10年以上経っている方はハイブリッド型蓄電池を導入すると良いでしょう。
電気自動車のエネルギーを賄える
5つ目は、電気自動車のエネルギーを賄えることができることです。
先ほど紹介したトライブリッド型蓄電池を使った場合、電気自動車を走らせるために必要なエネルギーを太陽光発電で賄えます。
電気自動車に電気を貯めるのは、夜間などの家に電気自動車が停まっている時に行われます。
無駄なく太陽光発電で発電した電力を使用出来るため、電気自動車を保有している方には特にお勧めです。
蓄電池の注意点
上記で蓄電池のメリットを紹介しましたが、メリットだけではなく注意点もあります。
ここからはその注意点を紹介します。
初期費用が必要
まずは、初期費用が必要になることです。
蓄電池はおそらく想像している以上に高額です。
具体的には、機種や条件によってさまざまですが、110万円〜200万円程度かかります。
そのため、簡単に購入したり交換したりできるものではありません。
この初期費用の高さは蓄電池を導入する上で最もネックとなる存在です。
しかし、ローンを利用することも可能です。
太陽光発電をこれから購入する方は太陽光発電と一緒に、すでに太陽光発電を導入されている方は蓄電池単体のローンを利用すると購入しやすくなるでしょう。
徐々にパフォーマンスが落ちる
続いては、蓄電池が劣化し、徐々にパフォーマンスが落ちることです。
蓄電池は性質上、充放電を繰り返すごとに、蓄電可能容量が減っていくという特性があります。
そのため、しばらく蓄電池を使用していた場合、初期に比べてパフォーマンスは落ちます。
ただし、その劣化スピードはメーカーによって異なります。
劣化という観点も考慮して、いくつかのメーカーを比較検討しながら選んでいきましょう。
設置スペースが必要
最後は、設置スペースが必要になることです。
これはついつい見落としがちなポイントなので注意が必要です。
蓄電池には屋内用と屋外用が存在します。
そのため、屋内に蓄電池が設置できないとわかれば、屋外に設置できるものから選びましょう。
高寿命で有名な東芝エネグーンは屋外設置です。
また、屋内設置でも大きさは大きいものから小さいものまでまちまちです。
オムロンの蓄電池の1つに横452mm×高さ656mm×奥行き120mmと非常にコンパクトのものもあります。
蓄電池は10年以上設置するものになります。
そのため、十分な設置スペースがあるか事前に把握してから導入しましょう。
初心者の方向けに蓄電池の選び方を紹介!
ここまでで蓄電池がどういったものか、イメージできてきたと思います。
しかし、どういった基準で蓄電池を選んでいけば良いかまだわかりませんよね。
そこでここからは、蓄電池を選ぶときの基準について紹介します。
4つ見ていきましょう。
停電時にどれだけ備えたいか
1つ目は、停電時にどれだけ備えておきたいかということです。
これを最初に決めておくと、選択肢をだいぶ狭めることができます。
まずは停電に対して手厚い備えをしたい方です。
最近では地震が多く、南海トラフもあと数年で来ると言われています。
それらが引き起こす長期停電に備えたい方には、大容量の蓄電池をお勧めします。
蓄電池の容量はkWhで表され、この数値が大きければ大きいほど容量が大きく、多くの電気を貯めることにつながります。
目安としては12.0kWh以上の蓄電池が良いでしょう。
また、停電した際にエアコンやIHクッキングヒーターなどの200V電源が必要とされる大型家電が使いたい方は高出力のものを選びましょう。
蓄電池を停電用に使いたい方は、特定負荷型と全負荷型にも注目する必要があります。
特定負荷型は特定の部屋のみでしか電気を利用できませんが、全負荷型の場合は家全体で電気を利用できます。
ただし、利用時間を長くできるのは特定負荷型です。
これらの要素も停電対策用に蓄電池を購入する時には大切になってきます。
次に、停電対策は最小限で十分と考えている方です。
停電対策用に蓄電池を購入すると、サイズや重量が大きく、また価格も高いため、人によっては不便です。
そのため、停電対策はそこまで力を入れないと考えている方はコンパクト・小中容量・安価な蓄電池を導入しましょう。
太陽光発電のパワコン寿命が接近していないか
2つ目は、太陽光発電用パワコンの寿命がどうなっているかです。
パワコンの寿命が迫ってきている方は、太陽光と蓄電池のパワコンが一体となったハイブリッド蓄電池を選びましょう。
1台になるだけでなく、発電効率も上昇するため、太陽光発電のパワコンの寿命を見て、導入するか考えましょう。
また、電気自動車を将来的に購入したいという方はトライブリッド型の蓄電池システムをお勧めします。
トライブリッド型は、上で記載したように、効率よく電力を使用出来ます。
将来のことも考えて導入を検討しましょう。
設置場所に余裕があるか
3つ目は、設置スペースが十分に確保できるかどうかです。
蓄電池をどこにおくか事前に決めておくと、範囲も絞れてきます。
屋外用の蓄電池は比較的大きいですが、屋内用であればコンパクトなものも数多くあります。
そのため、設置場所に余裕があるかは蓄電池を選ぶときに大切にしましょう。
ただし、海岸近くに住んでいる方は注意が必要です。
海岸近くの住宅では、塩害の影響を考えて、屋外に設置できない蓄電池もあります。
少し特殊な場所に住んでいる方は詳細もしっかり読んで購入しましょう。
価格や性能は十分か
4つ目は、価格や性能、保証内容などで選ぶことです。
3つ目まででおそらく範囲はだいぶ狭まっていると思います。
最後は価格や性能、保証内容で候補のうちから1つに選びましょう。
もちろんですが、価格だけで選んでしまうと後悔する可能性が非常に大きいです。
それぞれのメリットとデメリットを可視化し、後悔のない選択をしましょう。
自分に合った選び方で蓄電池を導入しましょう
今回は、蓄電池の特徴や選び方について紹介しました。
蓄電池があれば、停電時に安心をもたらしたり、電気を効率よく使用して節約を図ったりすることができます。
初期費用が発生する、設置スペースが必要、などの注意点もありますが、メリットも大いにあると言えるでしょう。
そして選ぶ時には、「停電時にどのくらい対応したいか」「太陽光のパワコンの寿命はどうなっているのか」「設置場所に余裕があるのか」の3つをまずは考えると、範囲を狭くできます。
後悔のなく蓄電池を導入できるようにしましょう。
リノベステーションではオムロンやシャープを始めとした蓄電池を取り扱っております。
もちろん、太陽光発電機器との同時購入も可能です!
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!