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営農型太陽光発電って何?特徴や条件・メリットやデメリットを解説!

太陽光発電 2024年01月04日更新

農地の上にソーラーパネルを設置して、売電収益を得ながら農業を続ける「営農型太陽光発電」という新しい事業が注目されていることをご存じでしょうか?

農作物の収量にかかわらず安定した売電収入が見込めると評判の営農型太陽光発電ですが、「初期費用は回収できるの?」「作業効率が下がりそう…」など、疑問や不安も浮かびますよね。

そこで本記事では、「営農型太陽光発電の特徴や開始条件」「メリットや向いている作物」「デメリットや注意点」をまとめてわかりやすく解説していきます。

記事の後半には、気になる「補助金の有無や金額」についてもご紹介していますので、できるだけコストをかけずに農業以外の副収入を得たい方はぜひご覧くださいね!

営農型太陽光発電とは?特徴や利用条件・おすすめ作物を解説!

まずはじめに、営農型太陽光発電の特徴や始めるための条件、向いている作物や実際の導入例についてくわしく解説していきます。

営農型太陽光発電とは?【農家の所得アップの新しいアイデア】

営農型太陽光発電とは、農地に支柱を立てて太陽光システムを設置し、農業を継続しながら売電による収益も見込める、新しい農地運用の考え方です。

産業用の太陽光発電所の運営には「広大な土地を確保する」という高いハードルがありますが、営農型太陽光発電はもともと所有している農地を利用できるため、費用対効果に優れています。

営農型太陽光発電を運営することにより売電収益を得られることはもちろん、値上げが続く農業設備の電気代を自給自足できる点も大きなメリットといえるでしょう。

営農型太陽光発電を始めるための条件・手続き方法

営業型太陽光発電を事業として始めるためには、所属する地方自治体に「農地の一時転用」の申請をする必要があります。

申請が受理されるには「支柱の高さが2m以上であること」「設備導入後の収量が以前の8割を下回らないこと」など条件がありますが、却下される事例はほとんど見受けられません。

さらに、面倒な書類作成などの作業は「販売店や施工業者に代行してもらう」ケースが大半ですので、本業である農業に専念しながら、新しい事業をすすめることが可能です。

【導入例をご紹介】営農型太陽光発電に向いている作物は?

営農型太陽光発電には「半陰性植物」と呼ばれる、多少の日陰でも生育に問題ない作物が向いているといわれていますが、「米」などの日本の主要作物も多く栽培されています。

農林水産省の公表するデータによると、「小松菜・ほうれん草」「ジャガイモ・サツマイモ」などの導入事例がもっとも多く、次点で「茶類やキノコ類」などが人気作物となっています。

野菜や穀物、イモ類だけでなく、「ブルーベリーやブドウ、リンゴ」などの果樹類も営農型太陽光発電に向いており、意外と多様な作物に適正があることが実証されています。

営農型太陽光発電を導入すべき「3つのメリット」をご紹介!

つづいて、営農型太陽光発電を始めることで得られる「3つのうれしいメリット」を以下にご紹介していきます。

【メリット①】毎月安定した売電収益が得られる

営農型太陽光発電のもっとも大きなメリットは、「農作物の収量とは関係なく、毎月安定した売電収益や経済的メリットが得られる」ことです。

太陽光発電には「気候による収益の変化」はあれど、農作物のように「疫病や異常気象で収益が激減」するリスクはないため、農業より安定性に優れています。

太陽光パネルの寿命は「20年〜30年以上」と非常に長いため、10年ほどで設備資金の回収を終わらせれば、その後は純粋に収入として家計に役立てることができます。

【メリット②】日当たりの良い農地は太陽光発電との相性抜群

営農型太陽光発電で活用する「農地」は、そもそも日当たりが良い場所に位置している場合が多いため、「太陽光発電との相性が抜群である」ことも重要なメリットといえます。

太陽光発電の収入は「パネルが吸収する日射量」に大きく影響を受けますので、隣家が密集する住宅地に設置するより、遮るもののない農地に設置した方が高い収益性が見込めます。

「電照栽培」などで夜間も電気を使う農法を採用している農家では、近年の電気代高騰による損失を太陽光発電でカバーできますので、非常におすすめな対策といえます。

【メリット③】補助金を活用すれば無理なく資金回収できる

営農型太陽光発電の「今だけ得られるメリット」として、「補助金を活用すれば設備費用の50%を国に負担してもらえる」という点が挙げられます。

農林水産省や経済産業省は太陽光発電をはじめとする「再生可能エネルギー」の普及に尽力しており、条件を満たす農地に対して「設備費用の2分の1(上限1,000万円)」の補助金を交付しています。

さらに、営農型太陽光発電は、10年間売電価格が優遇される「FIT制度」の対象でもあるため、国の手厚いサポートを受けながら無理なく初期費用を回収することができます。

営農型太陽光発電の導入前に確認すべき「3つのデメリット」とは?

さいごに、営農型太陽光発電を始める前に注意しておきたい「3つのデメリット」について解説していきます。

【デメリット①】育てる作物によっては収量が低下する

営農型太陽光発電のデメリットは、「パネルの下で育てる作物との相性によっては、年間の収量が低下して収入が下がってしまう」ことです。

たとえば、日射量の影響を受けにくい「ブルーベリー」や被覆栽培を行う「茶」などは営農型太陽光発電に向いていますが、直射日光を好む果菜類などの作物には不向きな場合もあるでしょう。

ソーラーパネル設置後の収量の変化は、過去の導入事例や専門家のシミュレーションなどで予測できますので、まずはお近くの農協などに相談することをおすすめします。

【デメリット②】支柱が邪魔になり作業効率が落ちる

営農型太陽光発電のデメリットとして、「太陽光パネルの支柱の高さや間隔によっては、農作業の効率が落ちてしまう」ことも挙げられます。

たとえば、農業用の支柱や資材などを運搬する際に邪魔に感じたり、トラクターが旋回しにくくなったり、水やりホースの取り回しが難しくなる事態も起こり得るでしょう。

以上のデメリットを防ぐためには、事前にあらゆる農作業の場面を想定し、実際に現地でメジャーなど使いながら、最適な支柱やパネルの配置を考える方法がおすすめです。

【デメリット③】台風で水没した際には周囲への配慮が必要

営農型太陽光発電の導入において特に注意したいデメリットは、「台風や豪雨の影響で水没した設備に触れると感電する危険性がある」ことです。

太陽光発電システムは「断線・破損してもパネルに光が当たれば発電する」性質を持っているため、水田の中に落下した場合、引き上げる際に感電する恐れがあります。

故障した設備を子どもが触ってしまう可能性はゼロではないため、太陽光発電が台風の被害を受けた際には「立入禁止のテープで農地を囲む」などの適切な対策を取るべきでしょう。

【まとめ】営農型太陽光発電は高い発電量が魅力!経費削減に効果あり

本記事でくわしく解説してきた「営農型太陽光発電の特徴やメリット・デメリット」についての重要ポイントを、以下にもう一度まとめていきます。

  • 営農型太陽光発電とは、農地の上に支柱を立てて太陽光発電を設置し、発電しながら農業を続ける試み
  • 農業と太陽光発電の両方の収益が得られるほか、高騰する「農業設備の電気代」も自給自足できる
  • 日当たりの良いケースが多い「農地」は太陽光発電との相性が良いため、高い利益率を見込める
  • 営農型太陽光発電を始めるには「支柱の高さは最低2m」「収量を毎年報告する」など条件がある
  • 「作物によっては収量が低下する」「台風で水没する恐れがある」など、デメリットにも注意しておくべき

農業を続けながら「太陽光発電の安定した収入が期待できる」営農型太陽光発電は、台風や気候によって収量が不安定な農家にとって、非常に将来性のある事業といえそうです。

さらに、営農型太陽光発電は「農林水産省の補助金」を利用すれば「設備費用の50%」を助成してもらえるため、高額になりがちな初期費用もかしこく抑えられます。

太陽光パネルの寿命は「20年〜30年」と長いため、無理なく資金回収ができる点も営農型太陽光発電のメリット。

農業の新しい可能性をぜひ一度検討してみませんか?

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この記事の監修者

中田 萌

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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