卒FITとは?FITとの違いやその後の活用方法を詳しく紹介
卒FIT後、太陽光発電の活用方法に迷っている方へ役立つ情報を紹介します。
今回は、卒FIT後のメリット・デメリット、対策方法について、わかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
卒FITとは?FITとの違いは何?
卒FITは、太陽光発電で得た電力を固定価格で買い取ってもらう期間の終わりを指します。
FITと卒FITはよく似て見えますが、実際には違う意味合いがあります。
- FIT:再生可能エネルギーの発電者に、一定期間安定した価格で電力を買い取ってもらえる
- 卒FIT:期間が終わると、電力の価格が市場の状況によって変わる取引になる
FIT制度を利用する場合、家庭では太陽光パネルを屋根に設置し、おおよそ10年間にわたって発電した電力を売ることができます。
逆に、卒FITはFIT制度の適用期間が終わり、発電者の電力買取期間が終了する時期を指しています。
卒FITを迎える太陽光発電の推移
卒FITを迎える太陽光発電の推移を年度別にまとめてみました。
年度 | 卒FIT後の太陽光発電の件数 |
2019年 | 53万台 |
2020年 | 73万台 |
2021年 | 100万台 |
2022年 | 134万台 |
2023年 | 165万台 |
(引用元:本制度における卒FIT電源の取り扱いについて)
2019年から2023年までの期間を比較すると、卒FITを迎える太陽光発電が+100万台以上増加しています。
この増加には、再生可能エネルギーの普及促進や環境への配慮が背景にあります。
2023年を迎えるにあたり、卒FITの適用期限を迎える太陽光発電が増えることで、エネルギーの持続可能性に対する関心が高まっていることが分かりますね。
卒FIT後に得られるメリット
卒FIT後に得られるメリットについて3つ紹介します。
光熱費を削減できる
卒FIT後は、発電した電気を安く売るよりも、家電製品に直接電力を使う方が光熱費を節約でき、家計の負担を減らせます。
例えば、太陽光で発電した電力をエコキュートでお湯を沸かすことで、給湯器の電気代を大幅に削減できます。
電力を売るよりも使う方が経済的なので、発電した電力を有効に家庭で使うことで、節電効果が高まります。
長期停電対策が可能
卒FIT後に蓄電池を導入すると光熱費の削減だけでなく、停電対策も可能です。
蓄電池に発電した電力を貯めておけば、必要なときに利用できます。
これにより、電力を有効に活用し、光熱費の節約が可能です。
また、長期の停電の際には、蓄えた電力を利用して家庭の電力を確保できるため、頼りになる対策となります。
新しい売電先を選べる
卒FIT後は発電した電力を、今までの契約先以外にも売ることができるようになります。
FIT制度が終了すると、電力の売買が市場で自由に行われるようになるからです。
新しい取引先を見つけることで、より高い価格で電力を販売できたり、将来的に長期的な契約を結ぶことができたりします。
また、新しい契約が将来にわたって続く可能性もあり、安定的な収入源を確保できるでしょう。
卒FIT後に訪れるデメリット
卒FIT後に訪れるデメリットを3つ紹介します。
売電価格が半額以下まで下がる
最初のFIT制度では高い価格で電力を売ることができますが、FITが終了すると価格が急激に下がります。
例えば、2014年には1kWhあたり37円で電力が売れましたが、2024年にFITが終わると買取価格は8円にまで減少してしまいます。
これにより、太陽光パネルを設置した家庭は以前よりもはるかに低い価格で電力を売ることになり、経済的な影響を受けやすくなります。
自家消費のための設備や環境整備が必要
FIT期間が終わると、自家発電した電力を使うことができますが、そのためには特別な設備や整備が必要です。
例えば、遠隔制御システムや蓄電池を導入すると、高額な初期費用がかかります。
ただし、これらの設備を導入することで、発電した電力を有効に利用し、電気代を削減できるかもしれません。
蓄電池を導入する際には、コストと効果をバランスよく検討することが重要です。
メンテナンスや買い替えが必要
卒FIT後も太陽光発電は、定期的なメンテナンスが不可欠です。
パネルの汚れやケーブルの劣化は発電効率の低下につながるからです。
点検の結果、パワーコンディショナーやソーラーパネルの修理が必要であれば、数十万円単位の費用がかかることもあります。
継続的な使用はメンテナンス費用がかかりますが、発電システムの長寿命と経済的な利益を守るために欠かせません。
卒FIT後、太陽光発電はどうやって使う?
卒FIT後の太陽光発電の活用方法について、紹介します。
売電先を見つけて新規契約を結ぶ
新しい電力会社を選ぶ際には、次のポイントに注意が必要です。
- 売電価格の比較
- 契約条件の確認
- 地域の需要と供給
FIT期間が終わっても、太陽光発電で電力を売ることはできます。
ただし、新しい売電先を選ぶ時には、売電価格が変わることを考えて、自分に合うものを選ぶことが大切です。
蓄電システムの導入を検討する
卒FIT後に蓄電池を取り入れると、以下のような利用方法が考えられます。
- 発電した電力を蓄電池に貯め、夜間に利用する
- 夜間に安い電力を蓄電池に取り込んで活用する
- 蓄電池を使用して停電時の備えをする
蓄電池を導入することで電気代の削減だけでなく、24時間365日、安定した電力供給を確保することが可能です。
これにより、エネルギーの自給自足が促進され、持続可能な生活スタイルの実現が期待できます。
蓄電池を選ぶ際に注目すべきポイントは?
蓄電池を買うときは、以下のポイントに気をつけて慎重に選ぶのが大切です。
- 容量: 蓄電池が蓄えられる電気の量
- 定格出力: 蓄電した電気を一度に供給できる量
- 使用可能サイクル: 充電・放電が可能な回数や電池の寿命
- サイズ: 設置スペースの有無
- 保証やメーカーのサポート: 製品の保証やメーカーからのサポートの提供
蓄電池を選ぶ際、最も重要なのは「容量」です。
蓄電池の容量は蓄えることができる電気の量で、家庭の電力使用に合った容量を選ぶことが大切です。
これらのポイントを考慮して、自分の家庭に最適な蓄電池を選ぶと良いでしょう。
FIT終了後の対策には、早期に計画を練ることが大切
今回は、卒FITとFITの違いやメリット・デメリットなどについて紹介しました。
卒FITは「太陽光で得た電力を売る期間が終わったこと」で、FITは「再生可能エネルギーの発電者が確かな価格で電力を売るしくみ」です。
見た目は似ていますが、実際にはまったく違う仕組みでしたね。
卒FITを迎える前には、新たな売電先を決めたり、蓄電池を導入したりする対策が必要です。
また、エネルギーの自給自足を目指すことで、環境にも貢献できるのがポイントです。
しっかりと計画を立てて、卒FIT後も太陽光発電を活用していきましょう。
▼関連記事はこちら
この記事の監修者
『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
光熱費削減に関するお悩み等ございましたら、お気軽にご相談下さい。
光熱費削減コンサルタント
中田 萌ご相談やお見積もりは
完全無料です!