全館空調の電気代は月いくら?30〜40坪の相場と安くする5つの方法

「全館空調は快適そうだけれど、電気代がとんでもなく高くなるのでは?」
「24時間つけっぱなしにするなんて、無駄使いではないか?」
これから家を建てる方や、導入後に電気代の請求額を見て驚いた方にとって、全館空調のランニングコストは最大の懸念点でしょう。しかし、結論から言えば、家の性能や使い方次第で、個別エアコンと変わらない、あるいは安くなるケースも十分にあります。
【この記事の結論】
- 一般的な30〜40坪の住宅なら、平均月額は夏1〜2万円、冬2〜4万円程度が目安。
- 「24時間つけっぱなし」が基本推奨。頻繁なオンオフは逆に電気代を上げる要因に。
- 電気代高騰の最大のリスクヘッジは「高気密・高断熱」と「太陽光発電」のセット導入。
本記事では、住まい・設備の専門編集部が、全館空調のリアルな電気代相場から、個別エアコンとの比較、そして誰でもできる「電気代を安くする5つのコツ」までを徹底解説します。
目次
1. 全館空調の電気代は本当に高い? 坪数別の相場目安
「全館空調=高い」というイメージが先行していますが、実際のデータを見ると、現代の住宅性能においては必ずしもそうではありません。まずは広さごとの平均的な相場を確認しましょう。
30坪〜40坪の電気代平均データ
全館空調の電気代は、建物の「断熱性能(UA値)」と「地域(外気温)」に大きく左右されますが、一般的な目安は以下の通りです。
| 延床面積 | 年間電気代(目安) | 月平均(夏/冬のピーク時) |
|---|---|---|
| 30坪未満 | 12万〜18万円 | 1.0万〜2.5万円 |
| 30〜40坪 | 18万〜25万円 | 1.5万〜3.5万円 |
| 40〜50坪 | 25万〜30万円 | 2.0万〜4.0万円 |
| 50坪以上 | 30万〜40万円 | 2.5万〜5.0万円 |
個別エアコン(各部屋設置)との比較
「必要な部屋だけエアコンをつける方が安い」と考えるのは自然です。しかし、リビング、寝室、子供部屋など複数台のエアコンを稼働させる場合、トータルコストでは差が縮まります。
| 比較項目 | 全館空調 | 個別エアコン(4〜5台) |
|---|---|---|
| 電気代 | 24時間一定だが効率が良い (高断熱住宅の場合) |
使う部屋のみだが 起動時の消費電力が大きい |
| 初期費用 | 150万〜300万円前後 | 50万〜100万円前後 |
| 快適性 | 家中どこでも温度差なし ヒートショック防止 |
部屋ごとの温度差あり 廊下や脱衣所は暑い/寒い |
| 交換コスト | 10〜15年で本体交換 (高額になりやすい) |
10年ごとに各台交換 (故障時期が分散) |
最近のモデルでは、三菱地所ホームの「エアロテック」のように、部屋ごとに温度調整ができるタイプも増えており、無駄な冷暖房を抑える機能が進化しています。
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2. 「24時間つけっぱなし」の方が安いって本当?
全館空調の運用で最もよくある疑問が、「こまめに消した方が節約になるのでは?」という点です。結論から言うと、基本的には24時間連続運転の方が電気代は抑えられ、かつ快適です。
起動時に最も電力を使う
エアコンや全館空調は、設定温度に達するまでの「立ち上がり」に最大の電力を消費します。一度適温になってしまえば、その温度を維持するための電力はごくわずかです。
- こまめなOFF:壁や床が冷え切ってしまい、再稼働時にフルパワー運転が必要(燃費が悪い)。
- 連続運転:家全体が蓄熱体となり、微弱な運転で温度をキープできる(燃費が良い)。
春・秋の中間期はどうする?
もちろん、外気温が心地よい春や秋(20℃前後)であれば、無理につけっぱなしにする必要はありません。窓を開けて通風換気を行う「換気モード」のみで運転させることで、電気代を大幅にカットできます。
簡易まとめ:
真夏や真冬は「つけっぱなし」が正解。建物自体を温める(冷やす)ことで、結果的に省エネになります。
3. 全館空調の電気代を安くする5つの具体策
相場が分かったところで、少しでも電気代を安くするための実践的なテクニックを紹介します。これらを意識するだけで、年間数万円の差が出ることも珍しくありません。
① 設定温度を「控えめ」にして自動運転
環境省の推奨データによると、設定温度を冷房で1℃高く、暖房で1℃低くするだけで、約10〜13%の消費電力削減になるとされています。
- 夏:26℃〜28℃(湿度が低ければ27℃でも快適)
- 冬:20℃〜22℃(サーキュレーターで空気を循環させる)
② フィルター掃除は月1回を徹底
全館空調は家中の空気を循環させるため、フィルターには驚くほどホコリが溜まります。目詰まりしたフィルターは空調効率を悪化させ、余計な電気代が5〜10%かかる原因になります。2週間に1回、少なくとも月に1回は掃除機で吸い取りましょう。
③ 日射熱のコントロール(遮熱・断熱)
どんなに高性能な空調を入れても、窓から熱が出入りしては意味がありません。
- 夏:すだれやシェードで、窓の外で日差しをカットする。
- 冬:厚手のカーテンや断熱スクリーンで、窓からの冷気を防ぐ。
④ 電力プランの見直し
全館空調は夜間も稼働するため、夜間の電気単価が安い「オール電化プラン」などとの相性が良い場合があります。ただし、最近は燃料調整費の高騰で深夜電力が安くないケースもあるため、最新の単価を確認しましょう。
⑤ 太陽光発電で「電気の自給自足」
最も効果的なのは、使用する電気を自分で作ってしまうことです。全館空調は日中も稼働するため、太陽光発電で発電した電気をそのまま自家消費(空調に充てる)することで、買う電気を減らすことができます。これは電気代高騰対策として非常に有効な手段です。
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4. 導入前に知っておくべき注意点とリスク
電気代以外にも、全館空調には導入前に理解しておくべき特性があります。後悔しないために、以下のリスクと対策を押さえておきましょう。
乾燥しやすい
全館空調の最大の弱点は「冬場の過乾燥」です。常に空気が動いているため、加湿対策をしないと湿度20%台になることもあります。加湿機能付きのモデルを選ぶか、大型の加湿器を併用するのが一般的です。
故障時のリスク分散
全館空調が故障すると、家全体の空調がストップします。真夏や真冬に故障すると生活に支障が出るため、予備としてリビングに1台だけ壁掛けエアコン用のコンセントとスリーブ(穴)を準備しておくなど、バックアップ体制を考えておくと安心です。
簡易まとめ:
乾燥対策と、万が一の故障時の対応策(サブ暖房の用意など)は、設計段階で計画に組み込んでおきましょう。
最適なプランは? まずは専門家と確認
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よくある質問(FAQ)
Q1. 全館空調の電気代の平均月額は?
一般的な30〜40坪の住宅(オール電化)の場合、年間平均で月1.5万〜2.5万円程度が目安です。ただし季節変動があり、ピーク時の冬場は3万〜4万円、夏場は1.5万〜2万円程度になることが多いです。
- 建物の断熱性能(UA値)が高いほど安くなります。
- 燃料調整費や再エネ賦課金の単価により変動します。
※金額は使用状況や地域により大きく異なります。
Q2. 全館空調とエアコン、結局どっちがお得?
「4LDKですべての部屋のエアコンを使う」ような生活スタイルであれば、全館空調の方が効率的でお得になるケースがあります。逆に、日中ほとんど家に人がおらず、使う部屋が限定的な場合は個別エアコンの方が電気代は安く済みます。
※快適性や将来の機器交換コストも含めて比較することをおすすめします。
Q3. 旅行などで数日空ける時もつけっぱなし?
1〜2日の不在であれば「弱運転」や「ひかえめ設定」でつけっぱなしの方が、帰宅時の再起動エネルギーを抑えられ、家も冷え切らないため推奨されます。1週間以上の長期不在の場合は停止した方が節約になります。
Q4. 全館空調の交換費用はどれくらい?
一般的に全館空調の耐用年数は10〜15年程度と言われています。機器本体の交換費用はメーカーや機種によりますが、100万円〜200万円程度かかる場合があります。将来のために修繕費を積み立てておくことが重要です。
Q5. 電気代を安くするための補助金はある?
全館空調そのものに対する補助金は限定的ですが、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」や「省エネリフォーム」などの枠組みで、高効率設備として補助対象になる場合があります。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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