ペロブスカイト太陽電池とは？特徴やデメリット・今後の動向を解説！

次世代の太陽電池として注目されている、ペロブスカイト太陽電池。

一体どういう特徴を持っているのでしょうか。

今回の記事では、ペロブスカイト太陽電池の概要や主な特徴、デメリットや今後の動向の予想を紹介します。

ペロブスカイト太陽電池とは？概要や主な特徴を3つ解説！

ペロブスカイト太陽電池という名前は、なかなか聞きなれないものですよね。

冒頭でも紹介した通り、ペロブスカイト太陽電池は次世代の太陽電池として注目されています。

ともなれば「ペロブスカイト太陽電池とはどういうもの？」と、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回の章では、ペロブスカイト太陽電池の概要と主な特徴を3つ紹介します。

現行の太陽光発電との違いも紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

ペロブスカイトについて 

ペロブスカイトは、ロシアのウラル山脈で見つかった鉱物です。

その鉱物が使われているペロブスカイト太陽電池は、太陽の光エネルギーを電気に変換するペロブスカイト半導体を使った太陽電池になります。

ペロブスカイトの最大の特徴は、一般的な化学物質から合成可能な物質なため、製造に対して大きなコストがかからないことです。

ペロブスカイト太陽電池の主な特徴3選！ 

ペロブスカイト太陽電池の主な特徴は何があるのでしょうか。

具体的に3つ紹介します。

特徴①現行の太陽光発電に比べて非常に安価 

ペロブスカイト太陽電池は、現行の太陽光発電に比べて非常に安価なことが特徴です。

具体的には、現行のシリコン製太陽光発電は、初期費用の平均値が100〜150万円と非常に高額。

補助金制度もありますが、自己負担額はまだまだ高く、さらなる普及がなかなか難しい現状があります。

一方、ペロブスカイト太陽電池は、現行のシリコン製太陽光発電に比べて製造工程がかなり簡素化できるため、製造コストは現行のシリコン製太陽光発電に比べて3分の1から5分の1にまで削減できるといわれています。

ペロブスカイト太陽電池の一般向け販売はまだ達成できていませんが、仮に一般向けに販売された場合、20〜50万円前後で太陽光発電システムを家庭に導入できるのです。

初期費用の高さがネックとなって太陽光発電の導入を諦めている家庭も多いでしょうから、ペロブスカイト太陽電池の一般向け販売が成功すれば、地球環境問題もかなり大きく改善の兆しが見えるのではないでしょうか。

特徴②レアメタルを必要とはしない 

ペロブスカイト太陽電池は、レアメタルを必要としない点も特徴的です。

前述の通り、ペロブスカイト太陽電池は一般的な化学物質から製造できるもの。

したがって、レアメタルを必要とはせず、原材料の供給問題などが起こりにくいメリットもあります。

また、レアメタルは希少価値があるので非常に高額な取引きが要求されるのですが、ペロブスカイト太陽電池はレアメタルを必要としないので、レアメタルにかかる費用を浮かせることができ、とても安価な金額設定を実現できるのです。

特徴③設置場所を問わない 

ペロブスカイト太陽電池は、設置場所を問わないという特徴もあります。

現行の太陽光発電は、基本的には住宅の屋根に設置するものです。

したがって、屋根の補強が必要だったり、屋根の形によっては太陽光パネルが設置できないという懸念点がありました。

一方、ペロブスカイト太陽電池は、軽くて柔らかくて薄いという特徴があるため、設置場所を問わない使い方ができます。

実際に、住宅の壁や車の屋根や車体、衣服などにも装着できるということで、どのように実用化されるのかに注目が高まっています。

ペロブスカイト太陽電池とは？主なデメリットを3つ解説！ 

続いて、ペロブスカイト太陽電池の主なデメリットを3つ紹介します。

一体どういうデメリットが存在しているのでしょうか。

デメリット①安定的な稼働が見込まれていない 

ペロブスカイト太陽電池のデメリットは、安定的な稼働が見込まれていない点です。

ただ、この点については、ペロブスカイト太陽電池がまだ実用化されていないので、消費者側が特に問題視する必要はありません。

とはいえ、加熱劣化で太陽電池内部が不安定な状況になると想定されているため、本格的な実用化を前に、デメリットはしっかりと回収しなければならないといえるでしょう。

デメリット②エネルギーの変換効率が悪い 

エネルギーの変換効率が悪いのも、ペロブスカイト太陽電池のデメリットです。

現行の太陽光発電は、エネルギーの変換効率が20％前後といわれています。

中には25％を超えるものも出てきており、今後さらにエネルギーの変換効率の高い太陽光発電が販売されるのでは？という噂さえあります。

一方、ペロブスカイト太陽電池のエネルギー変換効率は10％程度に留まっているのです。

中には15％ほどの数値をたたき出すものもあるようですが、現行の太陽光発電に比べると、エネルギー変換効率は極めて低いことがわかります。

デメリット③健康被害に発展する可能性のある鉛が使用されている 

ペロブスカイト太陽電池のデメリットは、健康被害に発展する可能性のある鉛が使用されている点です。

鉛が原因となる健康被害の主な事例は、以下の通りです。

• 神経系の障害
• 食欲不振
• 頭痛
• 貧血

とても恐ろしいものですよね。

ただ、ペロブスカイト太陽電池に使われている鉛はそこまでの量はないので、ある程度安心とはいわれています。

とはいえ、仮に鉛が流れ出した場合は被害が深刻化してしまうと考えられるので、本格的な実用化を前に、鉛問題に関してはしっかり調査が必要だといえるでしょう。

ペロブスカイト太陽電池とは？今後の動向の行方について！ 

最後に、ペロブスカイト太陽電池の今後の動向を紹介します。

2027年までに20億ドル前後の市場規模が想定されている 

ペロブスカイト太陽電池は、実は2027年までに20億ドル前後の市場規模が想定されています。

1ドル130円計算だと、日本円で2,600億円です。

かなりの市場規模であることがわかるでしょう。

ペロブスカイト太陽電池の需要が伸びると予想されている理由は、やはり地球温暖化を防止したいと、世界各国が希望しているからです。

そして、現行の太陽光発電よりも非常に安価で、設置場所を問わないという点で、将来性が期待されているからになります。

2018年からは一部で運用が開始されている 

一般実用化に向けて様々な課題が残されているペロブスカイト太陽電池ですが、実は2018年12月から、HISグループが運営している「変なホテル」でペロブスカイト太陽電池が運用されています。

また、2022年からは、エネコートテクノロジーズ（京都大学発のベンチャー企業）が、ペロブスカイト太陽電池を用いたセンサーを販売開始したということです。

ただ、これは試験的な運用で、一般向けの運用には時間が必要ということです。

ペロブスカイト太陽電池とは？課題が残るが今後の進捗状況に要注目！ 

今回の記事では、ペロブスカイト太陽電池の魅力や現行の太陽光発電との違いを紹介しました。

まだまだ多くの課題が残るペロブスカイト太陽電池ですが、実用化された場合、消費者にとってかなりのメリットがある太陽電池であることがわかりました。

ペロブスカイト太陽電池の今後に注目ですね。

▼関連記事はこちら

蓄電池
太陽光発電
パワーコンディショナ
エコキュート
IH
外壁塗装
ポータブル電源