東京電力「スマートライフプラン」を徹底比較!新規加入停止後の最適解は?

東京電力エナジーパートナー(TEPCO)が提供していた「スマートライフプラン」は、オール電化住宅やエコキュート利用者に人気の高い電気料金プランでした。しかし、2023年3月31日をもって新規加入の受付は終了しています。
現在このプランを契約中の方も、これからオール電化を導入する方も、ご自身の状況に最適なプランを再検討する時期に来ています。この記事では、スマートライフプランの特徴や、類似プラン「電化上手」との比較、今後のプラン見直しの注意点を専門家の視点で徹底解説します。
- スマートライフプランの核心:夜間電力(午前1時〜6時)が割安な反面、昼間(午前6時〜翌1時)が割高になる、エコキュートや蓄電池向けのプランです。
- 最大の注意点:2023年3月31日で新規加入は停止。現在契約中の方のみが継続利用可能です。
- 「電化上手」との比較:スマートライフプラン(2段階料金)に対し、電化上手(3段階料金)は夜間時間が長い(8時間)ものの、昼間の料金が季節で変動する点が異なります。
目次
第1章:東京電力「スマートライフプラン」とは?
この章では、「スマートライフプラン」がどのような特徴を持つ電気料金プランなのか、その基本的な仕組みと、現在(2023年4月1日以降)の状況について解説します。
プランの概要と最大の特徴
スマートライフプランは、東京電力エナジーパートナー(TEPCO)が提供していた、主にオール電化住宅向けの電気料金プランです。最大の特徴は、電気を使用する時間帯によって電力量料金(1kWhあたりの単価)が大きく異なる点にあります。
- 夜間時間(午前1時~午前6時の5時間):料金単価が安価に設定されています。
- 昼間時間(午前6時~翌午前1時の19時間):料金単価が割高に設定されています。
この設計は、エコキュート(電気温水器)や蓄電池など、夜間に電力を多く消費する機器の利用を前提としています。夜間の安い電力でお湯を沸かしたり、蓄電池に充電したりすることで、家庭全体の電気代を抑えることを目的としていました。
【重要】2023年3月31日で新規加入は受付終了
最も重要な点は、スマートライフプラン(S/L)は2023年3月31日をもって新規加入の申込み受付を終了していることです。
現在このプランを契約している方は、引き続き利用することが可能ですが、引っ越しや契約変更などで一度解約すると、再度スマートライフプランに加入することはできません。これからオール電化住宅を新築・導入する方は、後継プランや他の電力会社のプランを選択する必要があります。
「全電化住宅割引」とは?
スマートライフプランには「全電化住宅割引」という特典がありました。これは、エコキュートなどの夜間蓄熱式機器を使用し、キッチンを含む全ての熱源を電気でまかなう(=オール電化)住宅の場合、毎月の電気料金の基本料金から一定額が割り引かれる制度です。
この割引の存在が、スマートライフプランをオール電化住宅にとって魅力的な選択肢にしていました。ただし、この割引もプランの新規加入停止に伴い、新たに対象となることはありません。
章のまとめ:
スマートライフプランは、夜間電力(1時〜6時)が割安なエコキュート・オール電化向けプランでしたが、2023年3月末で新規加入は停止されました。現在契約中の方のみが継続利用できます。
第2章:スマートライフプランの料金体系とメリット
この章では、スマートライフプランの具体的な料金単価と、それによって生じるメリットについて詳しく見ていきます。料金は契約アンペア数(S)または契約容量(L)によって基本料金が異なりますが、ここでは一般的な「スマートライフプランS」を例に解説します。
時間帯別の料金単価(2024年4月1日時点)
スマートライフプランの電力量料金は、非常にシンプルな2段階設定です。電力使用量にかかわらず、時間帯ごとに単価は一定です。
| 区分 | 時間帯 | 電力量料金(1kWhあたり) |
|---|---|---|
| 昼間時間 | 午前6時 ~ 翌午前1時(19時間) | 35.96円 |
| 夜間時間 | 午前1時 ~ 午前6時(5時間) | 28.06円 |
メリット:夜間電力の活用で電気代を削減
最大のメリットは、夜間時間の単価(28.06円)が昼間時間(35.96円)に比べて約22%安価であることです。
エコキュートは、主にこの夜間時間帯を利用してタンクのお湯を沸き上げます。また、蓄電池を導入している家庭では、この時間帯に電力を充電します。さらに、食洗機や洗濯乾燥機などをタイマー機能で夜間に稼働させることで、昼間の割高な電力使用を避け、効率的に電気代を節約することが可能です。
日中に太陽光発電を設置している場合、昼間は発電した電力で自家消費を行い、電力会社から買う電力を最小限に抑えつつ、夜間は割安な電力を利用するという組み合わせが、経済的メリットを最大化する使い方でした。
章のまとめ:
スマートライフプランのメリットは、夜間単価(1時〜6時)が昼間単価より約22%安い点にあります。エコキュートや蓄電池、タイマー家電を夜間に集中して使用することで電気代を削減できました。
第3章:デメリットと見直しの注意点
夜間電力にメリットがある一方、スマートライフプランには注意すべきデメリットも存在します。特に、新規加入が停止された現在、契約中の方が「本当にこのままで良いのか」を判断する上で重要なポイントとなります。
デメリット(1):昼間時間の単価が割高
最大のデメリットは、夜間単価を安く設定している代わりに、昼間時間(午前6時~翌午前1時)の単価が一律で割高(35.96円/kWh)である点です。この時間は1日のうち19時間を占めており、大半の家庭が活動する時間帯と重なります。
例えば、在宅勤務や専業主婦(夫)の家庭などで日中の電力消費量が多い場合、夜間に節約した分以上に昼間の電気代がかさみ、トータルで損をしてしまう可能性があります。
特に太陽光発電を設置していないオール電化住宅では、日中のエアコン使用量が多い夏や冬に電気代が跳ね上がるリスクがありました。
デメリット(2):夜間時間帯の短さ
スマートライフプランの夜間時間帯は「午前1時~午前6時」のわずか5時間です。この時間内にエコキュートの沸き上げや蓄電池の充電、その他の家電利用を収める必要があります。
もしお湯の使用量が多くてエコキュートが昼間に「沸き増し」を行ったり、蓄電池の充電が間に合わなかったりすると、割高な昼間単価で電力を消費することになり、メリットが薄れてしまいます。
注意点:燃料費調整額とプランの硬直性
スマートライフプランに限らず、すべての電力プランに「燃料費調整額」が上乗せされます。近年、この燃料費調整額が高騰し、電気代全体を押し上げる大きな要因となりました。
また、スマートライフプランは新規加入が停止されているため、一度解約して別のプラン(例:東京電力の「夜トクプラン」や新電力)に切り替えた場合、二度とスマートライフプランに戻ることはできません。
現在のライフスタイル(例:子供の独立で夜間のお湯使用量が減った、在宅勤務で昼間の電力消費が増えた)が、スマートライフプランのメリット(夜間電力多消費)とミスマッチを起こしていないか、慎重な比較検討が必要です。
章のまとめ:
デメリットは、1日の大半(19時間)を占める昼間単価が割高な点と、夜間時間が5時間と短い点です。一度解約すると再加入できないため、プラン変更は慎重なシミュレーションが必要です。
第4章:【徹底比較】スマートライフプラン vs 電化上手
スマートライフプランと同様に、かつてオール電化住宅の主流プランだった「電化上手」(2016年3月31日新規加入停止)との比較は、現在これらのプランを契約中の方にとって重要な関心事です。どちらもTEPCOのプランであり、夜間電力を使用する機器(エコキュート等)を対象としています。
比較(1):料金時間帯の区分
最大の違いは、料金単価が変動する時間帯の区分です。
- スマートライフプラン:2段階(昼間 / 夜間)
- 電化上手:3段階(昼間 / 朝晩 / 夜間)
電化上手は、昼間(午前10時~午後5時)、朝晩(午前7時~午前10時、午後5時~午後11時)、夜間(午後11時~翌午前7時)と、より細かく分かれています。
比較(2):夜間時間と単価
夜間の「安さ」と「長さ」に明確な違いがあります。
- スマートライフプラン:時間:午前1時~午前6時(5時間)
単価:28.06円/kWh(2024年4月~)
- 電化上手:時間:午後11時~翌午前7時(8時間)
単価:17.78円/kWh(2023年4月~)
夜間単価だけを見れば、電化上手の方が圧倒的に安く、時間も3時間長いため、エコキュートや蓄電池の運用において非常に有利です。
比較(3):昼間単価
一方、昼間の単価は電化上手の方が複雑です。
- スマートライフプラン:時間:午前6時~翌午前1時(19時間)
単価:35.96円/kWh(通年一定)
- 電化上手:時間:午前10時~午後5時(7時間)
単価:44.02円/kWh(夏季)、36.72円/kWh(その他季)
※朝晩時間(計5時間)は 30.22円/kWh
電化上手は、特に夏季(7月~9月)の日中単価が非常に高額(44.02円/kWh)に設定されています。日中に在宅し、エアコンを多用する家庭では、電化上手のメリットが相殺される可能性があります。
比較表:スマートライフプランS vs 電化上手(2024年4月時点)
| 項目 | スマートライフプランS | 電化上手(10kVA契約例) |
|---|---|---|
| 新規加入 | 不可(2023年3月末終了) | 不可(2016年3月末終了) |
| 基本料金 | 契約アンペア別(例: 60A=1,716円) | 契約容量別(例: 10kVA=2,200円) |
| 料金区分 | 2段階(昼間・夜間) | 3段階(昼間・朝晩・夜間) |
| 夜間時間 | 午前1時~6時(5時間) | 午後11時~翌7時(8時間) |
| 夜間単価 | 28.06円 | 17.78円 |
| 昼間時間 | 午前6時~翌1時(19時間) | 午前10時~午後5時(7時間) |
| 昼間単価 | 35.96円(通年) | 44.02円(夏季) / 36.72円(その他季) |
| 朝晩時間 | なし | 7時~10時, 17時~23時(計5時間) |
| 朝晩単価 | なし | 30.22円(通年) |
複雑な料金比較を見て「結局、うちはどちらが得なのか?」と迷ったら、無料のセカンドオピニオンで専門家の比較診断を受けてみることをお勧めします。 ※ライフスタイルや機器の状況に合わせた中立的なアドバイスが受けられます。
章のまとめ:
「電化上手」は「スマートライフプラン」よりも夜間単価が格段に安く、夜間時間も長い(8時間)のが強みです。しかし、夏季の昼間単価が非常に高いため、日中の電力使用量が多い家庭は注意が必要です。
第5章:スマートライフプランの継続・見直し判断
スマートライフプランも電化上手も、新規加入が停止された「レガシープラン」です。現在契約中の方は、これらのプランを継続すべきか、それとも(再加入できないリスクを承知で)新しいプランに切り替えるべきか、判断が求められます。
スマートライフプランの継続が向いている家庭
以下のような特徴を持つ家庭は、スマートライフプランを継続するメリットが大きいと考えられます。
- 夜間(1時〜6時)に電力消費を集中できる:エコキュートの沸き上げ、蓄電池充電、タイマー家電(食洗機、洗濯乾燥機)の利用がこの5時間に収まる。
- 昼間(6時〜翌1時)の電力消費が少ない:共働きで日中は不在がち、または太陽光発電を設置しており、昼間の電力購入量が非常に少ない。
- 「電化上手」の夏季昼間単価を避けたい:電化上手も選択肢だったが、夏の日中にエアコンを多用するため、単価が一定のスマートライフプランを選んだ(またはメリットがある)場合。
プラン見直しを検討すべき家庭
一方、以下に該当する場合は、他のプラン(TEPCOの「夜トク」プランや新電力のオール電化プラン)への切り替えをシミュレーションする価値があります。
- 在宅時間が長く、昼間の電力消費が多い:在宅勤務や家族のライフスタイルの変化で、割高な昼間単価(35.96円/kWh)での電力購入が増えている。
- 夜間(1時〜6時)に電力消費が収まらない:お湯の使用量が多く、エコキュートが昼間に沸き増ししている。または、午後11時~午前1時の間(スマートライフプランでは昼間扱い)に電力消費が多い。
- 太陽光発電+蓄電池を導入(または検討中)している:蓄電池の容量が大きく、5時間の夜間電力だけでは充電が足りない場合や、より柔軟な充放電制御を行いたい場合、他のプランが適している可能性があります。
見直し後の選択肢は?
スマートライフプラン(S/L)の新規加入停止後、TEPCOが後継として案内している主なプランは以下の通りです。
- スマートライフS/L(2023年4月1日以降版):名称は似ていますが、料金体系が異なります。特に夜間単価が旧プランより高めに設定されている場合があります。
- 夜トク8 / 夜トク12:夜間時間(夜トク8は午後11時~翌午前7時)が8時間と長く設定されていますが、その分、昼間単価とのバランスが変わります。
- 新電力のオール電化プラン:多くの新電力会社(Looopでんき、auでんき等)も、独自のオール電化向けプランを提供しています。
どのプランが最適かは、各家庭の電力使用パターン(30分ごとの使用量など)を詳細に分析しなければ判断できません。
章のまとめ:
昼間の電力消費が少なく、夜間5時間(1時〜6時)に電力使用を集中できる家庭は継続メリットがあります。昼間の消費電力が多い家庭や、ライフスタイルが変わった家庭は、後継プランや新電力との比較シミュレーションを推奨します。
東京電力「スマートライフプラン」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 東京電力「スマートライフプラン」の料金体系は?
スマートライフプランは、夜間(午前1時~午前6時)の電力量料金が割安(1kWhあたり28.06円)に設定されているのが特徴です。一方、昼間(午前6時~翌午前1時)は割高(1kWhあたり35.96円)になります。
これはエコキュートや蓄電池など、夜間に電力を多く使用する機器を設置しているオール電化住宅向けのプランです。※2023年3月31日をもって新規加入受付は終了しています。
※料金単価は2024年4月1日時点のものです。別途、基本料金、燃料費調整額、再エネ賦課金がかかります。
Q2. スマートライフプランと「電化上手」の比較ポイントは?
最大の違いは料金時間帯の区分です。「電化上手」は3段階(昼間・朝晩・夜間)、「スマートライフプラン」は2段階(昼間・夜間)です。
スマートライフプランは夜間時間が短い(5時間)ですが、昼間単価が一本化されています。電化上手は夜間時間が長い(8時間)かつ夜間単価も安いですが、昼間が夏季(割高)とその他季に分かれます。
どちらも新規加入は停止しており、現在契約中の方のみ利用可能です。ライフスタイル(特に日中の電力使用量)によって、どちらが有利かは異なります。
※2024年4月時点の単価比較では、電化上手の夜間単価(17.78円)がスマートライフプラン(28.06円)より安価ですが、夏季昼間単価は電化上手(44.02円)の方が高額です。
Q3. スマートライフプランの新規加入停止後、どのプランを選べばいい?
2023年4月1日以降、オール電化住宅が新規で契約する場合、東京電力エナジーパートナーでは「スマートライフS/L」(2023年4月以降の料金体系)や「夜トク8/12」などが代替プランとなります。
ただし、これらのプランが旧プラン(スマートライフプランや電化上手)より必ずしも有利とは限りません。ライフスタイルや太陽光発電・蓄電池の有無によって最適なプランは異なるため、電力使用状況の「見える化」やシミュレーションが重要です。新電力のオール電化プランも比較対象となります。
※プラン変更は慎重に行う必要があります。特に旧プラン(電化上手・スマートライフプラン)は、一度解約すると再加入できません。
Q4. 燃料費調整額や再エネ賦課金の影響は?
スマートライフプランを含むすべての電力プランにおいて、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は電気使用量に応じて別途加算されます。
特に燃料費調整額は、燃料の国際価格に基づき毎月変動し、近年は電気代高騰の主要因となる場合があります。プランの基本料金や電力量料金単価だけでなく、これらの変動要素も考慮して総額で比較検討する必要があります。
※燃料費調整額には上限が設定されているプランと、上限がない(撤廃された)プランがあるため、契約内容の確認が必要です。
この記事の監修者

『お客様に寄り添うこと』をモットーに日々の業務に取り組んでおります。
太陽光発電の活用方法や蓄電池の導入などのご相談は年間2000件以上頂いており、真摯に問題解決に取り組んできました。
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